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2022 年度 実施状況報告書

トレーニング時のパワー発揮を増加させる最適なエキセントリック速度の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K11503
研究機関順天堂大学

研究代表者

坂本 彰宏  順天堂大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (70615434)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワードパワー / バリスティックトレーニング / エキセントリック局面 / ジャンプ / 地面反力 / stretch-shortening cycle
研究実績の概要

競技力向上を目的としたレジスタンストレーニングでは、コンセントリック局面にて最大の力や速度を出すことに加え、動作終盤で身体やウェイトを投射するバリスティックアクションが推奨されている。本研究では、コンセントリック局面の直前に生じるエキセントリック局面の速度に着目し、stretch-shortening cycle効果を最大に引き出す為の最適なエキセントリック速度を様々な重量にて明らかにする。また最適なエキセントリック速度を使用することでバリスティックトレーニングの効果が増加するかについて検証する。

2022年度においては、自重でのカウンタームーブメントジャンプ(以下CMJ)をフォースプレート上にて実施し、CMJ高が高い群と低い群にて地面反力の差を検証した。これと並行的に、無線型ゴニオメーターを股関節、膝関節、足関節に装着し、それぞれの関節における角度、角速度、角加速度を算出して両群間にて比較した。上記項目の比較に当たり、先行研究で着目されてきた地面反力の特徴点(エキセントリック局面での最小値、エキセントリック→コンセントリック局面切り替え時、コンセントリック局面での最大値、力発揮率)と、本研究で独自に着目した第2最大値(足関節が主に関与)での数値に焦点をあてた。これにより、CMJ高が高くなる(コンセントリック局面での力積が増加する)メカニズムの解明を試みた。

CMJ高が高い群では、エキセントリック局面における股関節の脱力が強く観られ、本研究で着目するエキセントリック局面動作の重要性が確認できた。しかし、地面反力の数値において、上記の特徴点での瞬間数値に両群間での有意差が認められなかった。これにより、地面反力を分析する際は、各特徴点での瞬間数値のみではなく、その前後を含めた動作全域に渡る数値化の必要性が示された。これらの結果は今後の検証において応用される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2022年度の計画は、主に予備実験の実施や先行研究の成果をまとめることであり、地面反力の分析方法や実験デザインをより詳細に決定していくことを目的としていた。これらは当初の計画に沿って概ね進めることができた。

一方で、現在採択されている他の研究課題の進捗がcovid-19の影響により遅れており再々延長を申請した。その為、本研究課題に対するエフォートが当初の計画よりも低下することが見込まれる。

今後の研究の推進方策

2023年度においては、スミスマシンを用いたジャンプスクワットを様々なエキセントリック速度(最大速度 vs. やや速い vs. 遅い)×重量(バーのみ vs. 30%1RM vs. 60%1RM)にて実施し、各重量条件で推奨される最適なエキセントリック速度を明らかにする。この際2022年度の成果を活用し、エキセントリック局面とコンセントリック局面内にてそれぞれ全域に渡る数値を時間正規化して算出し、コンセントリック局面の力積(ジャンプ高)が増加 or 低下するメカニズムを解明する。

2024年度以降では、20セッション(10週間)のトレーニング介入実験を行い、各重量で推奨されるエキセントリック速度にて長期的なトレーニングをすると、実際にパフォーマンスの向上が増大するかについて検証する。

研究成果については日本体力医学会大会、オーストラリアスポーツ医学会大会にて発表する予定である。またJournal of Strength and Conditioning Researchへ投稿し、出版活動もおこなう。

次年度使用額が生じた理由

2022年度は主に予備実験の実施と文献考証であった為、支出はスミスマシンの購入(物品費)に留まった。2023年度からは被験者を対象に測定を行う為、次年度使用額は人件費や謝金として全て消費される予定である。

備考

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  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 備考 (3件)

  • [国際共同研究] The University of Sydney(オーストラリア)

    • 国名
      オーストラリア
    • 外国機関名
      The University of Sydney
  • [学会発表] 下降中の底屈角度がリバウンドジャンプ高に及ぼす影響2022

    • 著者名/発表者名
      坂本彰宏、田上駿、稲川翔太、青木和浩
    • 学会等名
      第77回日本体力医学会大会
  • [学会発表] Effects of plantar flexion angle during falling on rebound jump height2022

    • 著者名/発表者名
      Inagawa S, Sakamoto A, Taue S and Aoki K
    • 学会等名
      Sports Medicine Australia Conference
    • 国際学会
  • [備考] ResearchGate

    • URL

      https://www.researchgate.net/profile/Akihiro-Sakamoto

  • [備考] 学校法人順天堂 研究者情報データベース

    • URL

      https://kenkyudb.juntendo.ac.jp/search/researcher.php?MID=6020

  • [備考] Researchmap マイポータル

    • URL

      https://researchmap.jp/a-sakamo/?lang=japanese

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公開日: 2023-12-25  

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