• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

日本版インクルージョン・スペクトラム・モデル(JAIM)の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K11523
研究機関筑波大学

研究代表者

澤江 幸則  筑波大学, 体育系, 准教授 (20364846)

研究分担者 永田 真一  筑波大学, 体育系, 助教 (30905592)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードインクルーシブ体育 / 共生社会 / 実地調査 / インクルージョン・スペクトラム・モデル
研究実績の概要

本研究は、日本のインクルーシブ体育を推進するため、現在のもっとも重要な課題であるインクルーシブ体育の方法論を定型化するため、英国で開発されたインクルージョン・スペクトラム・モデル第4世代(オリジナルAIM)をもとに、日本版モデル(JAIM)を開発することを目的としたものである。そのために、オリジナルAIMの我が国での適用可能性と限界を調査し、その限界を解決するための国内外の研究者によるディスカッションを通してJAIMを立案する。その検証のための研修会を実施し、国内外の研究者によるディスカッションを通して定型化し公表する。
今年度については、我が国のインクルーシブ体育の実情を把握するため、インクルーシブ体育が行われている場に実地調査を行い情報収集に努めた。その結果、障害の程度が軽度の児童生徒が多いか、特別支援学級の児童生徒が交流級として通うスタイルで体育授業が実践されていることがわかった。また授業内容をインクルージョンスペクトラムモデルをもとに検討したところ、主にオープン(アダプテッドなし)やモディファイ(アダプテッド)が多いことがわかった。特にパラレル(習熟度別グループ活動)やセパレート(分離活動)が観察されなかった。この理由として、それが研究授業であったため、同調された統合スタイルの授業を追求していたからと思われる。今後の課題として、日常的な体育授業として、消極的であったとしても、パラレルやセパレートを有効に利用できる根拠を示す必要があると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本研究が遅れている理由として以下の3つをあげる。
ひとつは、我々が調査のための研修会で使用しようと考えているオリジナルのインクルージョン・スペクトラム・モデルの原本の翻訳のための権利の関係上、英国の出版社と編者との話し合いに時間を要していることが想定外であったこと。
また研究者のひとりが重病を患い手術・通院を余儀なく費やされたため、本来、英国に直接インクルージョン・スペクトラム・モデルのワークショップに参加するなどの計画を立てていたがそれが叶わなかったこと。加えてそのために、国内で行う予定であった調査のための研修会を実施できなかったこと。

今後の研究の推進方策

今後については、研究の遅れを取り戻すため、オリジナルのインクルージョン・スペクトラム・モデルの原本の翻訳のための権利の協定を明文化したうえで、翻訳作業を行う。そのうえで、筑波大学主催の公開講座において、インクルージョン・スペクトラム・モデルの解説講義と演習を行う。研究代表者を中心に調査1として、その講座に参加する受講生(概ね30名)を対象に、講座実施を通して、インクルーシブ体育のベースにもなっているアダプテッドの感性に変容があったかを測るため、アダプテッド・センシティブ尺度を実施する。加えて、インクルージョン・スペクトラム・モデルの技法の定着状況を明らかにするために、講義前後で、それらの技法の名称と内容、どういう場面でどの技法を適用するのがよいかを確認するために独自に作成した質問紙調査を実施する。そして受講後約3ヶ月後(11から12月にかけて)に、受講生のうち調査協力に同意した現職教員を対象に実地調査を行い、実際の授業内での技法の使用等についての聞き取りを行うとともに、現在のインクルーシブ体育の問題点とその解決のための意見等を得る。その結果をもとに、日本版インクルージョンスペクトラム・モデルを立案する。

次年度使用額が生じた理由

我々が調査のための研修会で使用しようと考えているオリジナルのインクルージョン・スペクトラム・モデルの原本の翻訳のための権利の関係上、英国の出版社と編者との話し合いに時間を要していることが想定外であった、研究者のひとりが重病を患い手術・通院を余儀なく費やされたため、本来、英国に直接インクルージョン・スペクトラム・モデルのワークショップに参加するなどの計画を立てていたがそれが叶わなかったこと、加えてそのために、国内で行う予定であった調査のための研修会を実施できなかったため、主に文献調査を中心に行い分析したため、上記に係る費用が生じなかった。次年度においては、研究の遅れを取り戻すため、翻訳作業および研修会実施に係る人件費など、予定した費用が発生するものと考えている。

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi