研究課題/領域番号 |
22K11550
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
藤本 浩一 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (10287815)
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研究分担者 |
千足 耕一 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (70289817)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 素潜り / 息こらえ潜水 / 心拍変動 / 不整脈 / 中高齢者 |
研究実績の概要 |
令和4年度は以下5点が主な研究成果として得られた。 ①民生用ウエアラブル心拍間隔測定機器(POLAR社製:Grit X)について、陸上における屋外ランニング等の運動時には、アーチファクトの影響を受けること無く、心拍間隔(inter-beat interval:以下 IBI)を明瞭に計測することが可能であり、また、Grit Xに搭載されているGPS機能と合わせて、被験者の移動速度や航跡図も得ることが可能であることが確認された。②Grit Xを用いて、屋内ダイビングプールにてスキンダイビング中のIBI計測を実施したところ、胸部に装着した心電極とのデータ受信に使用しているBluetooth電波が水中では減衰し、通常、手首に装着しているGrit Xとの通信が途絶えて計測不可能となったことから、胸部心電極から10cm以内にGrit Xを配置する必要があることが明らかとなった。③Grit Xに搭載されているGPS機能が衛星から電波を受信する際、水中計測においてはBluetooth電波と干渉することが判明したことから、水中計測時にはGPS機能をオフにすることによって、明瞭にIBIが測定可能であることが確認された。④Grit Xを用いて、屋内ダイビングプールで得られた知見を元に、海洋におけるスキンダイビング中のIBI計測を実施したところ、水面ではIBI計測が可能であるものの、潜水時のIBIを得ることが不可能であることが確認され、この原因について、いくつかの仮説を立てて解明を試みたものの、本問題点を解決するに至らなかった。⑤Grit Xを用いた、海洋におけるIBI計測は不可能であったことから、同じ実験系を用いて旧バージョンであるV800を用いて計測を行ったところ、海面上もしくは潜水中を問わず、水深5m程度のスキンダイビング活動中におけるIBIを明瞭に計測することが可能であることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和4年度は、COVID-19感染拡大の影響を受けてダイビング活動も縮小傾向にあったことから、実験対象としている中高齢者の素潜り活動中の心拍間隔(inter-beat interval:以下 IBI)の計測を実施することが不可能であった。また、本研究にて使用予定であった民生用ウエアラブル心拍間隔測定機器のバージョンアップ(POLAR社製 V800→Grit X)に伴い、Grit Xを用いた海洋における潜水活動中のIBI計測が困難になったことから、本問題の解決のために機器のデータ処理プログラミングから見直しを行ったものの、結局は失敗となった。しかしながら、民生用ウエアラブル心拍間隔測定機器については、旧バージョンであるV800を用いることで海洋における潜水活動中のIBI計測が可能であることが、令和4年度中に確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は、COVID-19の感染拡大ならびに計測機器の再検証の影響を受けて、ほとんど当初予定どおりに進捗できなかったものの、令和5年度はCOVID-19も第5類となり、計測機器の問題も解決したことから、令和4年度に実施予定であった実験参加者を募った実験を実施する。また、実験で使用予定であった民生用ウエアラブル心拍間隔測定機器について、現行製品では計測が不可能であったため、現在、正規には販売されていない旧バージョンである製品が必要となったことから、この製品の中古品等を購入して対応する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)①COVID-19感染拡大の影響を受けてダイビング活動も縮小傾向にあったことから、実験対象としている中高齢者の素潜り活動中の心拍間隔(inter-beat interval:以下 IBI)の計測を実施することが不可能であったこと、②本研究にて使用予定であった民生用ウエアラブル心拍間隔測定機器によって、海洋におけるスキンダイビング中のIBI計測が不可能であったこと、以上の2点が理由となる。 (使用計画)物品費は、現在正規に販売されていない民生用ウエアラブル心拍間隔測定機器の中古品の購入に充てるため、当初予算よりも使用額が減額となる可能性が高い。その他の費目については、令和4年度に実施予定であった実験計画に沿って支出する予定である。
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