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2022 年度 実施状況報告書

運動および栄養による中間代謝物の変動が骨格筋量の維持・増進に果たす役割

研究課題

研究課題/領域番号 22K11554
研究機関滋賀県立大学

研究代表者

中井 直也  滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (90324508)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード骨格筋 / α-ketoglutarate / 中間代謝物 / 運動 / タンパク質合成
研究実績の概要

骨格筋の維持・増進の方策提案およびそのメカニズムの解明は、健康寿命延伸のために必須の課題である。運動時はエネルギー需要が高まり、タンパク質分解が亢進するがその後の栄養摂取によりタンパク質合成が分解を上回る。本研究では、運動や栄養摂取による中間代謝物の変動が骨格筋のタンパク質合成と分解に及ぼす影響を検討することを目的とした。2022年度は、クエン酸回路の中間代謝物であるα-ketoglutarate (AKG)がタンパク質合成促進シグナルを高めるメカニズムについて解析した。AKGの血中濃度は運動により上昇することが報告されている。マウス筋芽由来の培養細胞であるC2C12筋管細胞をグルコース不含培地で培養するとタンパク質合成促進シグナルの指標であるp70 S6 kinase (p70S6K)のリン酸化が低下するが、AKGの前駆体である細胞膜透過性のdimethyl-AKG (DMKG)の添加によりp70S6Kのリン酸化が一部回復した。一方、別のクエン酸回路の中間代謝物であるコハク酸の添加はp70S6Kのリン酸化に影響を及ぼさなかった。DMKG添加によるタンパク質合成促進シグナルの活性化には、AKG脱水素酵素の阻害剤により抑制されたことから、クエン酸回路を始めとする代謝経路の回復が一部関与していることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画調書にしたがっておおむね順調に研究が進んでいる。クエン酸回路の中間代謝物であるα-ketoglutarate (AKG)の前駆体添加がタンパク質合成促進シグナルを回復させるメカニズムの一部を明らかにすることができた。

今後の研究の推進方策

研究計画調書の年次計画にしたがって、研究を進めていくが、培養細胞を対象とした解析に加え、マウス個体における中間代謝物の変動、特にAKGがタンパク質合成と分解に及ぼす影響についての検討を実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

参加した学会がオンライン開催となっため、旅費に関わる経費が減少し、次年度使用額が発生した。次年度使用額の増加は、研究試薬等の購入に加え、実験動物購入など研究計画の推進に適切に使用する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Low-carbohydrate, high-fat diet and running exercise influence bone parameters in old mice2022

    • 著者名/発表者名
      Aikawa Y, Yamashita T, Nakai N, Higashida K
    • 雑誌名

      J Appl Physiol (1985)

      巻: 132(5) ページ: 1204-1212

    • DOI

      10.1152/japplphysiol.00789.2021

    • 査読あり
  • [学会発表] 絶食後の栄養素の再補充が骨格筋タンパク質合成に及ぼす影響2022

    • 著者名/発表者名
      吉井梨花子、東田一彦、中井直也
    • 学会等名
      第76回日本栄養・食糧学会大会
  • [学会発表] グルコースが筋サテライト細胞の収縮によるタンパク質合成促進シグナル活性化に及ぼす影響2022

    • 著者名/発表者名
      石﨑和眞、高野あぐり、東田一彦、中井直也
    • 学会等名
      第77回日本体力医学会大会
  • [学会発表] 絶食適応後の栄養素再補充が骨格筋タンパク質合成に及ぼす影響2022

    • 著者名/発表者名
      吉井梨花子、東田一彦、中井直也
    • 学会等名
      第77回日本体力医学会大会
  • [備考] 滋賀県立大学 運動栄養学研究室 ホームページ

    • URL

      https://naoyanakai.wixsite.com/ex-nutrition

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公開日: 2023-12-25  

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