研究課題/領域番号 |
22K11563
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
菅野 慎太郎 日本大学, 松戸歯学部, 兼任講師 (70779884)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | メンタルヘルスリテラシー / 大学生 / 尺度開発 / 文献レビュー |
研究実績の概要 |
大学生版のメンタルヘルスリテラシー尺度を開発するため、メンタルヘルスリテラシーについて質問紙調査およびアンケート調査を実施している文献を収集し、質問項目抽出のための文献レビューを実施した. まず論文を収集するため、まず学術データベース(CiNii)より、「メンタルヘルスリテラシー」をキーワードに検索を行い、学術雑誌(大学・研究紀要を含む)に掲載されているものを抽出した。その結果、36編の論文が抽出された。その後、分析対象の基準として、以下の観点から選定を行った。①Jormによってメンタルヘルスリテラシーが定義された1997年以降の論文であること。②メンタルヘルスリテラシーに関する尺度を用いた内容であること。③日本国内の論文であること(研究計画の段階では国内外と示したが、まずは国内の調査の現状を把握することを目的とした)。これらの基準に合致する論文を選定したのち、最終的に16件が検索された。16件中、7件はビニエット(想定事例)による測定が行われており、対象者に診断名の回答を求め,正答であれば疾患を認識する能力があるとみなした研究がほとんどであった。また、オリジナルの質問項目によって測定している場合も2件みられた。その上で、標準化された尺度を用いてメンタルヘルスリテラシーを測定していた論文が3件確認できた。しかし、これらの尺度については一部の精神疾患を対象にしたメンタルヘルスリテラシーが測定されているため、より広義なメンタルヘルスリテラシーを測定するための質問項目を抽出するには、検索語や検索の対象範囲を広げる必要性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は文献レビューに時間を要し、メンタルヘルスリテラシーに関する文献レビューについて研究発表および論文作成までに至らなかった。また達成度としては遅れており、研究遂行の観点から国外論文についての文献レビューあるいは系統的レビューも必要となる可能性があるため、尺度開発に向けて令和5年度もやや遅れての取り組みとなる可能性があると考える。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度については、メンタルヘルスリテラシーに関する国外論文の文献レビューを進めていき、大学生版のメンタルヘルスリテラシーの質問項目の抽出を進める。その際に、研究の進捗をスピードをアップさせるため、英文和訳等の人件費や業務委託を検討し、研究を進めていく予定である。そして、尺度開発に向けたデータ収集および分析を実施していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度の研究実績として、国内論文のみの文献レビューということもあり、研究代表者のみで実施可能であったことで人件費や謝金の支出がなかったことが理由として挙げられる。次年度は国外論文の文献レビューや系統的レビューを検討していることと尺度開発のための調査を計画していることから、英文翻訳等々の人件費が支出される予定である。
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