研究課題/領域番号 |
22K11570
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
河鰭 一彦 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (00258104)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 脳震盪 / 意識消失なし / スポーツ場面 / 頭部損傷基準 / 加速度 / 着地姿勢 |
研究実績の概要 |
2023年度には各種スポーツ競技現場における「意識消失を伴わない脳震盪の発生実態調査」おこなった。体育系大学と総合大学に所属する学生アスリートを対象とし質問紙調査をおこなった。質問紙回答者の参加しているスポーツ競技は多岐にわたった。質問紙回収が終了し資料の分析を行っている。結果については各種学会に発表しPre-pape Disucusionを行ったのち論文作成につなげ順次、公開していく。次に、関西学院大学人間福祉学部発行の「Human Welfare」に「男子大学生を対象とした棒高跳におけるHIC(頭部損傷基準値)の測定」を発表した。自動車工学等に用いられている「頭部損傷基準値 (Head lnjury Criterion)」を棒高跳び場面に応用した成果を発表した。棒高跳びの着地時に選手が頭部に受ける加速度はHICから考えた場合、脳震盪を惹起させる大きさではなかった。しかし、実験参加者の一部の選手は着地時姿勢が若干他の選手とは異なり頭部が受ける加速度が他選手より大きかった。これは着地時の適切な姿勢選択が頭部動揺を抑え、結果、頭部損傷が軽減させることが示唆された。これら実験・測定と並行して「チアーリーデイングおけるスタンツ着地時にプレーヤーが晒される頭部加速度」というテーマで測定を行った。先行研究においてチアーリーデイングに選手が脳震盪にさらされている可能性が示唆されてきた。そこで、スタンツの土台となる選手の肩の上に立った選手が後ろ方向に倒れこみ、支持者が選手を数名で受け止めるという「技」着地時の選手が晒される頭部加速度測定をおこなった。着地の姿勢は「自由にした条件」と「頭部を屈曲し顎を強く引ける、左右いずれかの鎖骨部に固定する」介入条件の2種類でスタンツからの着地を行った。介入条件のほうが頭部が受ける加速度が小さくなり、頭部の固定力が増したことがあきらかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度はコロナ禍の影響があり、実験・測定を行うことに困難さがともなった。このため2022年度は進捗状況が芳しくはなかった。2023年に入り研究環境も急速に整うことになり2022年度の埋め合わせを行うことができた。論文作成も完了し2024年度中には完全に遅れを取り戻すことができると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度には各種スポーツ競技現場における「意識消失を伴わない脳震盪の発生実態調査」おこなった。体育系大学と総合大学に所属する学生アスリートを対象とし質問紙調査をおこなった。質問紙回答者の参加しているスポーツ競技は多岐にわたった。質問紙回収が終了し資料の分析を行っている。結果については各種学会に発表しPre-pape Disucusionを行ったのち論文作成につなげ順次、公開していく。「チアーリーデイングおけるスタンツ着地時にプレーヤーが晒される頭部加速度」というテーマで測定を行った。実験は完了しており分析を完了し学会発表、論文作成を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
大学内研究が多くなり当初予定したより使用額が少なくなってしまった。「意識消失を伴わない脳震盪の実態調査」の対象大学校が設置されている地域を北海道、東北、九州地方と順次増加させる計画を立てているため、これまで以上に出張日の使用額が増える予定である。論文を作成したのちに刊行したり、英文を用いての学会発表、論文作成を予定しているため23年度には発生しなかった、内容で予算を使用する予定である。。加速度計や他の測定器のメンテナンスを行うため費用が発生するため、予算執行が必要になる。以上のように2023年度以上に予算を使用する額が増えると予測できる。
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