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2022 年度 実施状況報告書

肥満児に生じる大脳皮質運動野の発達遅延に対する運動プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K11581
研究機関杏林大学

研究代表者

岩崎 也生子  杏林大学, 保健学部, 准教授 (00515827)

研究分担者 村松 憲  杏林大学, 保健学部, 准教授 (00531485)
丹羽 正利  杏林大学, 保健学部, 教授 (90274985)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード発達 / 大脳皮質運動野
研究実績の概要

肥満児に生じる大脳皮質運動野の発達遅延の調査に先立ち、今年度は基礎データの構築を行なった。幼若期の合計64匹のWistar系雄ラットを用いて、4から8週齢ごとの大脳皮質運動野の前肢面積の変化を皮質内マイクロ刺激(ICMS)を使用し調査した。また、ICMSによって手首背屈筋から誘発される運動誘発電位(MEP)および橈骨神経刺激による最大誘発電位(M-max)を記録した。
さらに、神経系の発達に伴う行動の変化を調べるため、リーチ動作課題の予備実験を実施した。生後1週間ごとに握力とペレットへのリーチ課題時の前肢の動きを3台のハイスピードカメラを用いて記録した。記録した動画は、Frame-DIASにて解析した。また、リーチ動作の量的評価には、11の構成要素と35のサブカテゴリからなるReaching movement rating scoreを用いて評価した。
結果、大脳皮質運動野の前肢面積は4週齢で2.0 ± 0.5 mm2、5週齢で4.0 ± 0.89 mm2に拡大した。MEPsの振幅、手首背屈筋の短径も4から5週齢にかけて増加が観察された。ICMSの電気的閾値(4W:43.16±2.01μA, 5W:34.90±1.92μA)は、4Wから5Wにかけて低下を認めた。リーチ動作得点(4W:19.0点, 5W:24.75点, 6W:28.0点, 7W:30.0点, 8W:33.0点)と握力(4W:409.0g, 5W:542.7g, 6W:687.0g, 7W:851.2g, 8W:973.3g)は、週を追うごとに上昇し、前腕の回内及び把持の手指の協調性及び巧緻性に関する項目に得点の上昇が確認された。
次年度は、神経系の発達と行動変化の関係性解明に向けた追加実験を実施するとともに、肥満モデルラットにおける大脳皮質運動野の発達に関する実験に着手する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

肥満モデルラットの実験に向けた大脳皮質運動野の生理学的データに加えて、行動解析ができたた。次年度より肥満モデルラットの実験に取りかかれる見通しはついており、当初の計画通りに遂行できているできていると思われる。

今後の研究の推進方策

今年度構築したデータの精査を行い、必要に応じて追加実験を行う。また、次年度は肥満モデルラットを用いた大脳皮質運動野の発達および行動解析を実施しする。さらに、肥満モデルラットの運動療法の予備実験に着手する予定である。

次年度使用額が生じた理由

肥満モデルラットでの実験実施に先立ち、今年度は 1Wistarラットでのデータ構築を中心に実施した。肥満モデルラットは高額であるため、ラット費用に差額が生じたことが主な理由である。次年度使用額を用いて、次年度は肥満モデルラットの実験を開始し、大脳皮質運動野の発達および動作解析を実施する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Maturation of forelimb motor representation of motor cortex and behavioral alteration in reaching task in postnatal rats2023

    • 著者名/発表者名
      Yaoko Iwasaki, Yuhki Fujisawa, Naomi Oshiro, Masako Ikutomo, Masatoshi Niwa and Ken Muramatsu
    • 学会等名
      第46回日本神経科学大会
    • 国際学会
  • [学会発表] Maturation of forelimb motor representation of motor cortex in postnatal rats2022

    • 著者名/発表者名
      Yaoko Iwasaki, Naomi Oshiro, Masako Ikutomo, Masatoshi Niwa, Yuhki Fujisawa and Ken Muramatsu
    • 学会等名
      日本生理学会 第100回記念大会
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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