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2023 年度 実施状況報告書

スポーツ関連脳振盪による障害程度と回復過程を眼球運動により定量化する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K11589
研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

小野寺 英孝  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (10449390)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワードスポーツ関連脳震盪 / 頭部外傷 / 眼球運動
研究実績の概要

本研究の目的は, スポーツにおける脳振盪患者の眼球運動を測定し, 障害程度を定量的に評価する方法を明らかにすることである. 眼球運動の測定は非侵襲かつ高分解能な眼球運動測定装置 (赤外線照射の反射光量で光学的に眼球運動測定)を用いる. この研究により, 従来自覚症状のみだった脳振盪症状を可視化でき,脳振盪の病因知見を得ること, 脳振盪後の競技復帰の客観的指標を得ること, コンタクトスポーツの安全性向上が可能となる. 結果. 本研究で明らかになったことは①本方法での眼球運動測定で健常者よりも特異的な変化が観察できたこと(Rff15%以下) ②脳振盪症状の回復過程においてRffが改善し, 客観的で定量的な評価が可能となった. これらをもとに解析を加え、CTA5回復状況と眼球運動の回復がSCAT5内のどの評価項目と相関するかの知見をえた 最終的には, 眼球運動の障害は, 精神心理的障害よりも身体バランス障害との相関が強いことが明らかとなった. 誌上発表に至ったRecovery process for sportsrelatedconcussion assessed with precise ocular motility, Hidetaka Onodera et al., Sports Medicine International Open, DOI: 10.1055/a-2183-1077.これにより眼球運動による回復を促進する可能性を見出すことができた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

眼球運動の測定は非侵襲かつ高分解能な眼球運動測定装置 (赤外線照射の反射光量で光学的に眼球運動測定)を用いる. この研究により, 現在脳振盪患者に対して, 眼球運動測定を施行した36名の解析を行なっている. SCAT5での回復状況と眼球運動の回復がSCAT5内のどの評価項目と相関するかの知見をえた 最終的には, 眼球運動の障害は, 精神心理的障害よりも身体バランス障害との相関が強いことが明らかとなり, 誌上発表に至ったRecovery process for sportsrelatedconcussion assessed with precise ocular motility, Hidetaka Onodera et al., Sports Medicine International Open, DOI: 10.1055/a-2183-1077.これにより眼球運動による回復を促進する可能性を見出すことができた.その他の項目についても解析検討を継続しつつ, 新規論文を執筆している. また新規患者データ収集を継続して行なっている.随時データ追加をしながら検討をおこなっている.

今後の研究の推進方策

現在順調に症例登録を行えている. 現在のプロトコールでの症例蓄積を図り, 随時眼球運動による回復状態の可視化を明らかにしていく. またSCAT5の他項目についても解析検討を継続しつつ, 新規の知見を誌上発表する予定である.COVID-19による渡航自粛で国際学会での発表が難しい状況であったものの, 今後は発表を行うべく準備をしていく方針である.
さらに本研究での内容を現場(ピッチサイドや土俵)で行うべく、外傷に限らず脳卒中の救急体制も参考にし知見を深めていく予定である.

次年度使用額が生じた理由

コロナによる学会活動や診療制限などによりデータ収集及び学会発表が予定よりも制限があったため次年度使用額が生じた. 次年度は予定通り海外学会へ参加し同時にデータ収集の症例数増加を促すべく他学や現場出張を行右予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Recovery process for sports-related concussion assessed with precise ocular motility2023

    • 著者名/発表者名
      Onodera Hidetaka、Takuma Takuma、Yatabe Kanaka、Fujiya Hiroto、Murata Hidetoshi
    • 雑誌名

      Sports Medicine International Open

      巻: 8 ページ: 1-5

    • DOI

      10.1055/a-2183-1077

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2024-12-25  

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