研究課題/領域番号 |
22K11592
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研究機関 | びわこ成蹊スポーツ大学 |
研究代表者 |
山田 庸 びわこ成蹊スポーツ大学, スポーツ学部, 教授 (70711753)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | サッカー / ポジション / タイプ分類 / インタビュー |
研究実績の概要 |
本年では,日本サッカー協会S級コーチを含むサッカー指導者4名を対象に半構造化インタビュー調査と質的統合法(KJ法)を行い、サッカー指導者の戦術観点とプレー評価を体系化・構造化するとともに、選手のポジション別タイプ分類とタイプ別特徴を質的に明らかにし、選手ポジションタイプごとの戦術指標を質的に明らかにした。選手のタイプは用いられる戦術やトレンドに影響されることから近年のトレンドであるハイプレス戦術とボールを低い位置から繋ぐポゼッション戦術に着目したアンケートガイドを作成し、ゲーム中に頻繁におこなわれるになった可変ポジションと言われる流動的なシステムとダイナミックな攻守の切り替えに主眼を置いた戦術について言語化することができた。その結果、従来のサッカーのポジションは細分化すると14種類のポジションが規定され、体力的にも技術的にもトレーニングには多様性が必要であることが示された。また、体力トレーニング内でも対象ポジションの変更やメニューの追加・変化を伴うべきであり、攻撃ポジションと守備ポジションが異なるため攻守の切り替えに必要な無酸素性トレーニングが推奨されること、特にインサイドに位置する選手に対しては5mから15m前後の加減速を連続するメニューを、フォワード、サイドミッドフィルダー、センターミッドフィルダーには前線のプレスを想定した20m以上のスプリントを繰り返すトレーニングが望まれることを提案した。この成果は、第11回日本トレーニング指導学会にてポスター発表された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は質的研究法によりサッカーのポジション別のタイプ分類とその特徴を明らかにすることを目的としていた。この目的はほぼ達成されたと言って良い。学会発表を経て再度のインタビューも実行され、次年度に戦術的な観点を深めた形で研究が進められる予定である。 研究成果から、サッカーのポジション別の評価基準をまとめ評価者による採点やGPSデータ及びプレースタッツによる評価を志向することが求められる。現在データ収集のためBepro11によるデータ収集システムが構築されたところであり計画に沿って進展していく土台が予定通り進んでいると言える。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、実測のデータや評価者によるゲームごとの選手のポジション別評価を得点化し、得点傾向がクラスタ分析により仕分け分類できるかを検証するフェーズに入る予定である。評価者による評価ではデータ元である大学サッカーリーグ戦の映像及び評価者の段取りが順調に進んでいる。また、量的データを収集するためにBepro11との契約が結ばれ、今年度から3年間のスタッツ及びGPSデータが収集できる予定である、この2種類のデータを組み合わせクラスタ分析を中心とした分析法によりポジションの分類と評価方法を開発することが今年度の目的となる。今年度の終盤に学会発表を、次年度以降に論文の投稿を検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定金額は概算であり、歯数が次年度使用額となった。ほぼ予定通りの執行となった。
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