研究課題/領域番号 |
22K11592
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研究機関 | びわこ成蹊スポーツ大学 |
研究代表者 |
山田 庸 びわこ成蹊スポーツ大学, スポーツ学部, 教授 (70711753)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | サッカー / ポジション / タイプ分類 / 画像判別 / AI / 機械学習 / スタッツ分析 |
研究実績の概要 |
当年は前年度まで行ってきたサッカーの各ポジションに求められる体力的要求に関する研究をベースに、対象範囲を技術・戦術に広げるとともに、ポジション毎に指標を設定し評価するための前段階として出場した選手が当初のポジションを試合中に変更した際の実質的なポジションをAIの機械学習を用いて判別する研究を実施した。 2023年6月には、前年度の発表にさらに技術・戦術的要素を追加し集約した研究をWCSF2023にて「Technical, Tactical and Physical demands of diverse positions with formation changes」というタイトルでポスター発表した。 2024年3月に開催された日本フットボール学会21st Congressにて「AIを用いた教師あり学習によるサッカーの攻撃ポジション判別」というタイトルでポスター発表した。当研究では、サッカーのトラッキング情報とスタッツから選手のプレーエリアを特定しAIでも特に教師あり学習を用いて実際プレーした内容からポジションを判別する方法を検討した。分析アプリBepro11によりヒートマップ化されたパス位置情報を用いPython言語により教師あり機械学習(畳み込みニューラルネットワーク:CNN)を実施し、サイドのポジションを判別する学習を実施した。その結果、学習データでの判別精度は91.6%、検証データの予測精度は72.9%を示した。プレーエリアを画像として捉えることで一般的な画像判別の手法でプレーヤーのポジションを一定程度判別可能であることが示された。一方で、判別の精度向上には攻撃と守備の平均ポジションなど攻撃開始位置を導入する必要性が考えられた。 次年度への課題として、ポジション毎に有効なスタッツを精査すること、ポジション毎のスタッツ評価シートを半自動生成を実現することが挙げられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度の学会には、AIを実装した研究をポスター発表することができた。プログラミングの習得に課題があったがそこを克服できたことで今後の研究の進展が見込まれるようになった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、Bepro11にある生データを取り込み新たな指標作成ツールを開発、ポジション毎のシートを作成することを実装できるようにする。研究としては、相関分析や決定木分析を用いて各ポジションに必要な指標を選別することを目的に、日本フットボール学会への発表を行う。また、この計画を進めた研究を集大成として、次年度のWorld Congress on Science and Soccerl 2025に発表することを予定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度に使用する予定であったBepro11システムのサブスクリプション費用が別予算で執行できたため、A I実装のためのプログラミングのためのPC周辺機器への執行を行なった。それでもまだ当初予定額との差額ができた。データ出力プラットフォームを作成するために、Power BIなどのソフトウェア費用や、生データ集計ダウンロードのための人件費、国際学会発表のための費用に充当する予定である。
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