研究課題/領域番号 |
22K11597
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研究機関 | 九州共立大学 |
研究代表者 |
清家 空併 九州共立大学, スポーツ学部, 講師 (70919480)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 乳酸の摂取 / エネルギー代謝 / 血中乳酸濃度 |
研究実績の概要 |
乳酸と酢酸は、類似したシンプルな分子構造を有している。両者は、エネルギー産生の役割を担うミトコンドリアへ容易に流入し非常に速やかに代謝される。近年では、両者とも様々な身体反応・適応を引き起こすシグナル因子としての役割にも注目が集まっている。 本研究の目的は、ヒトに対する乳酸または酢酸の単独摂取が、安静時および運動時のエネルギー代謝(エネルギー消費量、脂質酸化量)を効率的に増加させるのか否かを明らかにすることである。乳酸または酢酸の摂取によりエネルギー代謝が亢進するのであれば、肥満予防ための有効なサプリメントとなり得るかもしれない。 今年度は乳酸の摂取の効果について検討した。先行研究においても用いられている乳酸サプリメント(乳酸カルシウム五水和物と乳酸マグネシウム二水和物の混合)を入手できた。予備実験では乳酸サプリメントの摂取が血中乳酸濃度に与える影響について確認したが、変化は認められなかった。このサプリメントを用いた先行研究では、製造会社により推奨されている摂取量で実験を行っているため、本研究も同量で実験を進めていくこととした。 今年度末から、安静時および運動時のエネルギー代謝に与える影響について実験を始めている。呼気ガス分析装置によってエネルギー代謝を測定する。また、血中乳酸濃度や胃部不快感も測定する。運動実験では、加えて心拍数、主観的運動強度も測定する。ランダム化、単盲検、クロスオーバー比較試験で実験を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
情報収集や予備実験の実施により、ヒトに対する乳酸の摂取量について見当をつけることができた。今年度末には、乳酸の摂取がエネルギー代謝に与える影響について実験を行えているため、おおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、昨年度末から開始している実験を進めてデータを解析していく。結果によっては摂取条件を変更し、再実験することも視野に入れる。同時に、酢酸の摂取条件についても検討していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入すべき物品を別の予算で工面できたため、翌年度以降に使用する予算とした。これらは翌年度以降の消耗品や、呼気ガス分析装置の点検のための費用等に使用する予定である。
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