研究課題/領域番号 |
22K11598
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研究機関 | 福岡工業大学 |
研究代表者 |
松尾 慶太 福岡工業大学, 情報工学部, 教授 (50780219)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 車いすテニス / 全方位移動型車いす / 競技の安全確保 |
研究実績の概要 |
近年、オリンピック・パラリンピックをはじめ様々な国際大会において、国民のスポーツに対する関心は高い。また、関連のスポーツ用具の進化には著しいものがみられ、開発で得られた先端的な技術は一般の製品にも活用されている。これらの進化により、これまで競技することが困難であった障がい者スポーツ種目が、容易に競技できるようになってきている。我々は、これまでに福祉用車いすの研究をしてきており、その知見を活かして全方位に並進できる独創的な車いすを実装した。また、バドミントンやテニス競技において、全方位に並進(同じ方位を向いたままの移動)できる車いすを使用することで誰もが容易にプレーできることを確認した。また、GPS機能が使用できない室内コートなどに対応するための超音波位置検出システムについて研究を進めている。これらの検出周期や精度の追究を行っており、現在数センチ程度の誤差での検出を可能とした。これらの蓄積した知識を融合させて研究を今後も継続していきたいと考えている。 令和4年度は実験用に2台のマシンを製作した。マシンは50Wのブラシレスモータを3個搭載してオムニホイール(前後左右に回転可能なタイヤ)をコンピュータで制御できるようにした。提案するマシンについて設計の段階で3輪か4輪どちらかを選択する必要があった。4輪は、競技中のマシンの安定感を高めることができるが、タイヤ周りのサスペンションが必要となりメンテナンスや製作に高いコストが発生するため、3輪のマシンを実装した。この3輪マシンは3点で地面と接するためサスペンションの必要がなく容易にマシンを安定的にコントロールできる。現在、マシンに通信機能を実装する段階でありTCP/IPおよびBluetoothでコントロールデバイスと通信させる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに実験用に2台のマシンを製作した。マシンは50Wのブラシレスモータを3個搭載してオムニホイール(前後左右に回転可能なタイヤ)をコンピュータで制御できるようにした。提案するマシンについて設計の段階で3輪か4輪どちらかを選択する必要があった。4輪は、競技中のマシンの安定感を高めることができるが、タイヤ周りのサスペンションが必要となりメンテナンスや製作に高いコストが発生するため、3輪のマシンを実装した。この3輪マシンは3点で地面と接するためサスペンションの必要がなく容易にマシンを安定的にコントロールできる。
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今後の研究の推進方策 |
現在、マシンに通信機能を実装する段階でありTCP/IPおよびBluetoothでコントロールデバイスと通信させる予定である。また、超音波による室内位置検出システムを使い、車いすのダブルス競技時の衝突防止やマシンと壁やネット支柱への衝突防止についてなどの安全確保についても追究する。特に、衝突回避に関する機能については、自動車などでは、数メートル手前にある障害物を検知し停止または回避する手法を採用している。しかし、申請者が提案するマシンテニスでは、利用するマシンは全方位(360゜)に移動可能であり動きを予測しにくい。また、競技の性質上数メートル前からの停止などの制御行動では競技の面白さを損なう。このため、衝突直前からの衝突回避を次のような技術で実現したいと考えている。 ・M2M (Machine to Machin) 通信を可能にするP2P通信技術 ・マシン位置の高精度検出とリアルタイム制御
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