研究課題/領域番号 |
22K11599
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研究機関 | 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター |
研究代表者 |
尾崎 宏樹 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学・研究部, 副主任研究員 (00549470)
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研究分担者 |
亀田 麻依 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学・研究部, 契約研究員 (40806436)
袴田 智子 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学・研究部, 研究員 (90586140)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 車いすテニス / ESSEDA / 運動負荷 |
研究実績の概要 |
R4年度、車いすテニスのトップアスリートを対象に、ラボテストによる最大酸素摂取量、最大心拍などを測定した。また、呼気ガス分析装置や心拍計を装着した状態で模擬試合を実施させ、ラボテストでの測定値と試合中での値を比較することで、試合中の運動強度を検証した。その結果、多くのアスリートにおいて、試合中の酸素摂取量や心拍数は最大下であった。 これらの結果を受け、R5年度では、試合中の運動強度で測定・トレーニングできるプロトコル開発のための予備実験行った。電気的にローラーの回転数を制御できるトレッドミル(ESSEDA,ESSEDA社,オランダ)を用いて、トップアスリート2名に対して、20秒間のスプリント動作を実施させた。その結果、最大速度は競技中よりも高かった。一方、主観的な身体負荷はトレーニングとしては適切であった。本測定には5名程度のアスリートが参加する予定であったが、遠征等の都合により2名のみの測定となった。そのため、R6年度も引き続き複数名のアスリートでトライアルを実施する予定である。 以上のことから、R6年度は、トレッドミルを用いたトレーニングプロトコル案を作成し、複数のアスリートでの測定を予定している。当初のモチベーションは、安全かつ効率的に有酸素性運動能力を向上させることであったが、アスリートのスプリント能力向上のためのトレーニングとしても活用できる可能性があることから、その2つのトレーニング課題に対してプロトコルを作成することを目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初、5名程度のアスリートでトライアルする予定であったが、選手の遠征の都合等で2名のみとなった。R6年度に改めて測定の調整をする。
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今後の研究の推進方策 |
トレッドミルでのトライアル結果を踏まえると、概ね、先行研究等で示されている運動負荷でのトレーニング・測定が妥当であると思われる。そのため、R6年度は測定プロトコル案を確定させ、それに則った測定を実施する。 測定プロトコルは2種類検討する。 ①当初の研究のモチベーションであった有酸素性能力を安全かつ効率的に向上させるため、先行研究を参考に、20秒スプリントと10秒レストを繰り返す。セット数とトレーニング頻度は次年度検証することとする。 ②漕ぎ出し時の加速やスプリント能力の向上のためのトレーニングについても、本研究の知見を活用できる可能性がある。そのため、①に加え、スプリント動作向上のためのプロトコル案も検討する。スプリント動作には、リムに加える力の大きさと方向が重要である。そのため、トレッドミル上でのスプリント動作を3次元動作分析し、手や腕、体幹の動作と車輪の加減速の関係を検討し、アスリート個別の課題を明らかにすることができるプロトコルを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた国際学会への参加が、ガザ地区の紛争拡大により中止されたため、予定していた旅費を計上できなかった。次年度は同様の学会にて成果を公表する予定である。
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