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2022 年度 実施状況報告書

運動パフォーマンス決定因子である運動時間精度へのカフェインの影響の定量的検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K11605
研究機関熊本大学

研究代表者

西村 方孝  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (80613398)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード時間量子化
研究実績の概要

本研究は、運動時間精度へのカフェインの影響を定量的に検討し、カフェインが拮抗薬として作用するアデノシン受容体と運動時間精度の関係を明らかにすることを目的としている。経口で接種したカフェインが実際の運動へ影響を与え始めるまでにはある程度の時間遅延があると期待されることから、本研究を進めていく上では、運動時間精度の経時的な変化を定量し解析することが必要となる。カフェインを投与していない状態の動物の行動データから運動時間精度の経時的な変化の定量を進めたところ、研究計画当初は明らかになっていなかった「運動時間の量子化」を発見した(プレプリントとして公開中:https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=4245139)。
この発見は、現時点では査読済みの論文としての出版には至っていないものの、「運動時間の量子化」は運動時間精度を決定づける重要な要素となっている可能性が十分に考えられる。ヒトにおいては、脳内で計測された時間が量子化されているという示唆が先行研究で報告されていたが、それを直接的に示した先行研究は存在しない。ヒト以外の実験動物では、時間の量子化を示唆する報告は現時点ではなされていない。例えば運動時間の量子単位が17ミリ秒の場合、時間精度の限界は17ミリ秒に束縛されることになる。カフェインがアデノシン受容体に作用し、仮に、量子単位が17ミリ秒から15ミリ秒へと小さくなった場合、最大で約12%の運動時間精度の改善につながると見積もられる。これは現段階では仮説に過ぎないが、今後の本研究の方向性を大きく左右する新事実となりうるため、2022年度は、査読済み論文としての出版に向けてのデータ整理、論文執筆に注力した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初は予期していなかった運動時間の量子化が見つかった。そのため、研究実績の概要に記載した通り、その量子化に関する発見を査読済み論文として出版するためのデータ整理、論文執筆に注力した。そのため、当初の研究計画から見ると全体の進捗はやや遅れている。

今後の研究の推進方策

研究実績の概要に記載した通り、運動時間の量子化は今後の本研究の方向性を大きく左右する新事実となりうる。その発見をできるだけ速やかに査読済み論文として出版することが、今後の研究を推進することとなる。

次年度使用額が生じた理由

当初予期していなかった発見があったため、2022年度は主に、学会発表や論文執筆にかかる費用の支出が主となった。その結果、当初計画されていた使用額より少ない支出となった。2023年度は、2022年度に計画していた設備備品費、人経費等への支出が見込まれるため、次年度使用額はその見込まれる額となっている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 その他

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Quantal timing generation in internal estimation of prospective sub-second time for actions in guinea pigs2022

    • 著者名/発表者名
      Masataka Nishimura, Wen-Jie Song
    • 学会等名
      NEURO2022
    • 国際学会
  • [備考] プレプリント

    • URL

      https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=4245139

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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