研究課題/領域番号 |
22K11632
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
田村 祐司 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (10242322)
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研究分担者 |
田井 健太郎 群馬大学, 共同教育学部, 准教授 (00454075)
斉藤 秀俊 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (80250984)
鳥海 崇 慶應義塾大学, 体育研究所(日吉), 准教授 (90548265)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 小学校水泳授業 / 小学校学習指導要領 / GIGAスクール / 背浮き / 水辺安全知識 / 安全確保につながる運動 / タブレット教材 |
研究実績の概要 |
2022年度は、2020年度に訂された、文科省小学校新学習指導要領「体育科」水泳領域の高学年に明示された、溺水予防を目的とした「安全確保につながる運動」の代表的泳法である「背浮き」の技術指導をプールで指導後に、背浮きのポイントをはじめとした水辺安全に関連する知識の理解度を確認するために、クイズ形式の10問程度のタブレット端末によるクイズを開発した。これは2019年度に文科省が打ち出したGIGAスクール構想に関連づけて、溺死予防を目的とした安全教育教材開発である。本教材は、低学年・中学年・高学年の3種類があり、各質問ごとの回答は2~3の回答欄から択一式で選択回答する形式となっている。そして、全回答を行うと、各問題の正誤判定及び正解率が自動的に表示され、問題及び正解に関する解説も表示され、全問正解の場合は「水の安全アドバイザー」の認定書が自動的に表示印刷される教材である。なお、今年度は全国的にコロナ感染予防の影響で多くの小学校でプール授業が実施されなかったこともあり、いくつかの小学校で試行的に実施した。その結果、全国の小学校で普及している背浮きプログラムである「ういてまて教室」の事後振り返りとして、水辺安全知識の定着化に繋がることが期待された。そして、問題の正解率が低い問題は指導内容が十分ではないことが考察され、指導内容の再考にもつながる教材にもなりうると感じた。また、各問題の正解率から質問および解答の文言に対し、修正蔵得る必要性も示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、本研究の目的であるプール水泳授業実施後に、児童自身が「水辺安全」に関する授業内容の理解度を自己評価および振り返りが、タブレットを使用して簡便にできるためにクイズを制作することであった。そのクイズがまず制作でき、試行的ではあるが、いくつかの小学校のプール授業実施後の帰りの学活等を使って実施できたことは、まず目的の6割程度は進められたと考えている。しかし、制作したクイズが多くの小学校で実施できなかったことは反省すべき点である。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度制作した、小学生低学年・中学年・高学年それぞれを対象とした「水辺安全」に関するタブレット型クイズでは、問題および回答項目の表現および内容に関し、見直しすべき箇所が少なからず見出された。今後は、水辺安全のために、児童が必ず習得しておくべき知識を明確にして、問題および解答の文言を改訂すべき必要があると考えられた。また、クイズの種類も、水辺安全に関する総合的な質問で構成されるクイズ、またはある項目に特化した数種類のクイズを制作することが必要だと感じた。さらに、2022年度は、児童個人だけが自己評価できるタイプのクイズであったが、今後は児童が回答した結果が、教師側にフィードバックできるタイプのクイズを、他ソフト等も利用し制作し、各児童の水辺安全知識に関する習熟度を確認し、各児童に合わせた個別的な指導ができるようにすべきと考える。また、プール授業前後に、同じクイズを実施し、授業前後で各児童が各問題に関する知識の習得度の変容を確認することにより、授業内容の評価として、このクイズ結果が活用できるようなシステムをも構築していきたいと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、研究計画に項目である、過去5年間の子どもの水難事故の新聞記事検索調査、および子どもの事故現場を視察して事故原因について検討することが実施できなかったことが、主な原因である。
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