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2022 年度 実施状況報告書

体育科教育における深い学びに関する研究-矛盾とその克服に焦点を当てて-

研究課題

研究課題/領域番号 22K11648
研究機関立命館大学

研究代表者

石田 智巳  立命館大学, 産業社会学部, 教授 (90314715)

研究分担者 加登本 仁  安田女子大学, 教育学部, 准教授 (40634986)
制野 俊弘  和光大学, 現代人間学部, 教授 (70795153)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード活動システム / 矛盾 / 体育授業 / 深い学び
研究実績の概要

2017年に学習指導要領が改訂され,「主体的,対話的で深い学び」の視点から授業改善がいわれるようになった。しかし「深い学び」は依拠する学習論によって考え方が変わると思われるため,学術的な検討の俎上に載せられていない。そのため,「深い学び」の定義の問題と同時に,「深い学び」に至るための方法論を示すことができないという問題がある。
学びを「獲得」から「知識創造」へと拡張したエンゲストローム(1999)の活動理論から仮説的に「深い学び」を定義するならば,体育科の場合,①教科の内容(運動技術や戦術など),②組織の中でのふるまい方,③学習観やスポーツ観にかかわる「深い学び」があることになる。
本研究では,以上の仮説を検証するために,主としてこれまでに報告された体育実践記録を対象として分析する。そして,体育授業では矛盾が何と何の間で,あるいは,どのように起こっているのかを構造的にとらえ,その解決のためにどんな方法が用いられたのかを整理し,「深い学び」を生み出す方法を明らかにすることを目的とする。
今年度は,まず,エンゲストロームの活動システムモデルを用いて実践を分析した小,中,高のすべてを収集し,その特徴を分析した。その結果,矛盾に着目したのは体育授業の4本のみであったことを明らかにした。ただし,エンゲストロームのワークリサーチのアイディアを採用した実践も3本(うち一つは体育授業)あったが,教師が介入を行わなかったため,矛盾の克服に成功したとはいえない。また,実際の小学校の体育授業で起こった矛盾に着目し,その解決のための教師が取った手段と教師の信念の変容についても明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は,Zoomでの会議を1回,対面での会議を1回もつことができ,研究者同士で進捗を交流するとともに,学会に向けて各自の役割を明確にすることができた。

今後の研究の推進方策

今年度と同様に,会議を定期的に持つとともに,学会等に積極的に報告していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

ノートPCを購入予定であったが購入しなかったことと,学会等がオンライン参加が可能となっており,交通費がかからなかったことによる。今年度は,ノートPCの購入ならびに,学会などを対面で参加予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 丹下保夫の運動文化論構築過程における春田正治の影響:春田-丹下論争について2022

    • 著者名/発表者名
      石田智巳
    • 雑誌名

      体育学研究

      巻: 67 ページ: 845-857

    • DOI

      10.5432/jjpehss.22047

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 吉本均の発問研究に学ぶ2022

    • 著者名/発表者名
      加登本仁
    • 雑誌名

      体育科教育

      巻: 70(5) ページ: 16-19

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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