研究課題/領域番号 |
22K11656
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
黒坂 志穂 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (80580901)
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研究分担者 |
柳岡 拓磨 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (20846951)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | BONEプログラム / オンデマンドエクササイズ / 骨 / 健康 |
研究実績の概要 |
本研究では、申請者が従来実施してきた研究である骨を強化するための体操プログラム(BONEプログラム)を、在宅型における健康体操のプログラムとして、オンデマンド配信型で実施した際に、どのような効果が得られるかについての検討を行った。 前年度までの検討において、オンデマンド配信型のプログラムの実施は、中年女性の骨密度、免疫力(唾液免疫グロブリンA値)、歩行速度を有意に向上することが明らかとなり、オンデマンド配信型プログラムの健康効果は、BONEプログラムが狙いとしている健康指標を有意に改善することが明らかとなった。 本年度は、対面型のプログラム、オンタイムで実施するオンライン型のプログラムとの比較件検討を行ったが、その結果、オンデマンド配信型は、有意に骨密度と足趾筋力を改善し、その改善率は対面型のプログラムよりも大きいことが明らかとなった。 この理由については、現在考察を執筆中であるが、被験者が家の中で全プログラムを裸足で実施していたことが大きく、BONEプログラムは対面型、在宅型の双方において裸足で実施することが有用である可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、骨に機械的負荷や振動を与えることを目的としたBONEプログラムが,骨強度や歩行速度を改善することを明らかにしてきた.しかし、集団での運動セションではCOVID-19感染のリスクがあり、そのため、オンデマンド運動は安全に運動を実施するためのアプローチであると考えられたため、本年度は、オンデマンド配信によるBONEプログラムが骨強度および唾液免疫グロブリンA(SIgA)、6m速歩速度に及ぼす影響について検討した。 結果は、対照群ではSOSが有意な低下(p = 0.050)、SIgA、6-m速歩速度は変化しない結果が得られた。しかし、オンデマンドBONEプログラムは、4ヶ月後にSOS(p=0.003)、SIgA(p=0.006)の有意な増加が得られた。試験終了時の6m速歩速度は、実験群が対照群より有意に高かった(p=0.024)。 以上より、本年度は、オンデマンド配信型のプログラムの健康効果検証が実施できたが、今後は、対面による実施やライブ配信による実施と比較し、効果を比較していきたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
上記実施した研究を発表することを目的に進めている。 本年度は、オンデマンド配信型のプログラムの健康効果検証が実施できたが、今後は、対面による実施やライブ配信による実施と比較し、効果を比較していきたいと考えている。 具体的には、オンデマンド配信型・対面型・オンライン型及び統制群の4群において、BONEプログラムの健康効果と動機づけ効果の検証を行う。 [デザイン]50~70歳の中高年者40名を対象とした4条件(安静条件,オンデマンド条件,オンライン条件、対面条件)の無作為化比較試験法.1条件10名とし,被験者をランダムに割り付ける. 上記のように推進していきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた学会発表がオンラインで開催されたため、対面参加のための旅費を本年度消化予定である。 具体的には、2023年度マレーシアで行われる国際生理人類学会に参加し、そこでの対面発表を行う予定でいる。そのための学会参加にかかわる旅費を次年度に消化予定である。
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