研究課題/領域番号 |
22K11664
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
林 容市 法政大学, 文学部, 准教授 (40400668)
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研究分担者 |
速水 達也 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 准教授 (50551123)
村山 敏夫 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (50568368)
田井 健太郎 群馬大学, 共同教育学部, 准教授 (00454075)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 調整力 / 運動習慣 / 体力の発達 / グレーディング能力 |
研究実績の概要 |
2022年度は,新型コロナウイルス感染拡大予防を目的とした各種の制限継続の影響を受け,当初の計画を変更して研究を推進した。青年期の者を対象に,単純運動である把握の調整力を測定し,その「精度」および「調整に要した時間」に対する「現在」および「過去の運動実践」の影響について検討を開始した。この検討によって,先行研究で用いられてきた筋力の「出力」のみが反映される調整力の測定方法に対して,新たに「脱力」も踏まえた方法を用いた検討となるため,新たな調整力の評価が提案できる可能性がある。 また,身体の発育・発達過程におけるスポーツ・運動実践が身体の局所的・基礎的な動作の調整力に及ぼす影響について,それぞれの年代に実践しているスポーツ・運動種目や頻度・強度などを踏まえた横断的・網羅的に調査を行うために,事前に実験協力を依頼していた小学校・中学校の担当者と,具体的な実験の時期や実施可能な方法について面談・打ち合わせを行った。しかしながら,これらの協力校における新型コロナウイルス感染予防対策の継続を受け,2022年度中は実験が実施できなかった。現在,実験実施に向けた交渉・調整を継続しており,測定項目が変更される可能性はあるものの,次年度以降に測定・分析が実施できる見込みである。これらの実験が実施できれば,身体動作における調整力の発達に貢献しうるスポーツ・運動の種類や質,およびそれらが調整力の発達に強く影響を及ぼす年代を明らかにできると想定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
社会的な新型コロナウイルスへの感染対策が継続されたことで,実験フィールドと予定していた小学校や中学校において実験のための視察や実験の了承を得るのが難しい状況にあり,研究全体としてスケジュール通りに進めることができなかった。また,研究代表者の所属先における業務量の増大も大きく影響し,研究時間の確保が困難な状況にも至っていた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は,新型コロナウイルスの感染拡大予防のための各種制限による教育機関への立ち入りや活動制限等が緩和されると予想されるため,本来は前年度に実施を予定していた,小学校・中学校における身体の局所的・基礎的な動作の調整力測定を実施する予定である。また,様々な要因によって2022年度の研究活動の滞りや計画の一部変更が生じたが,各年代に実践しているスポーツ・運動種目やその実践の質(頻度や強度)と調整力の優劣との関係について,協力校における調整力の測定によって横断的・網羅的に調査し,本研究課題全体を通じた主軸となる結果を得たいと考えている。 さらに,前年度に開始している青年期の把握の調整力に関する課題についても完了させ,今年度中盤から後半にかけて学会発表や論文として公表する予定である。これらを踏まえて,最終年度において身体の発育・発達に伴う身体動作の調整力の発達と就学年代ごとの運動実践との関係について,系統的な知見を提示することを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
社会的な新型コロナウイルスへの感染対策が継続されたことで,実験が予定通り実施できなかったことで大きな研究の遅れが生じた。また,予定していた協力校での実験や学会参加も取りやめざるを得なかったことなども,2022年度の予定使用額に残額が生じてしまった要因である。 2023年度からは,実験協力を依頼している小・中学校への視察や予備実験,本実験等で必要となる旅費,実験に用いる測定機材の購入などで適宜予算を使用できる見込みであり,2022年度終了時における「次年度使用額」は次年度以降に適切に使用する予定である。
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