研究課題/領域番号 |
22K11671
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研究機関 | 岡山医療専門職大学 |
研究代表者 |
安田 従生 岡山医療専門職大学, 健康科学部 作業療法学科, 教授 (00467119)
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研究分担者 |
谷岡 利裕 昭和大学, 薬学部, 准教授 (80360585)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | DNA損傷・修復能 / DNAテロメア長 / ミトコンドリアDNA / 体力レベル / ステロイドホルモン / 第二次急伸期 |
研究実績の概要 |
本研究は、成長期男女のスポーツ選手における運動・トレーニング量(長期)及び一過性の持久的運動(短期)に対するストレス耐性を、DNA 損傷・修復能、DNAテロメア長、心肺持久力(体力レベル)及びエストロゲン分泌量の相互関連性から検討することを目的とした。研究方法として、第二次急伸期後の女子中学・高校生(15~18歳)及び男子中学・高校生(15~18歳)を対象に、自転車エルゴメーターでの最大運動負荷試験を実施し、心肺持久系能力を測定した(換気性作業閾値、呼吸性代償及び最高酸素摂取量: VO2peakの測定)。また、最大下運動(VO2peakの65%の運動強度: 65%VO2peakで60分間の自転車運動)を実施し、運動前後で唾液(運動前後10分間)及び尿検体(2時間尿:運動前-2~0時間、運動直後0~2時間、運動後24~26時間)を採取した。特に、女子中学・高校生においては、エストロゲン(17β-estradiol)濃度が異なる卵胞期と黄体期で、最大下運動をそれぞれ1回ずつ(計2回)実施した。令和4年度(2022度)の生化学分析として、中強度持久的運動後のDNA損傷及び修復能に関する性差の影響を調べ(尿中8-hydroxy-2’-deoxyguanosine: 8-OHdGの定量)、体力レベルを同等に比較した場合の成長期男女における中強度持久的運動後のDNA損傷及び修復能は類似しているという結果を得た。その結果に準じて、現在、尿中ステロイドホルモンレベル(エストロゲン)、唾液に基づくDNAテロメア長及びミトコンドリアDNAコピー数を定量中で、段階的に各種生体マーカーにおける相互の関連性を特定する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度(2022年度)において、すべての運動負荷試験を実施し、それに付随する心肺持久系能力の測定(換気性作業閾値、呼吸性代償及び最高酸素摂取量の測定)は完了している。さらに、最大下運動(中強度持久的運動)とそれに伴う体細胞へのストレス耐性を調べるための唾液及び尿検体も採取済みである。現在までの主な生化学分析として、運動後のDNA損傷とその修復のバランスを示す尿中8-OHdGを定量し、体力レベルを同等に比較した場合の成長期男女のスポーツ選手における中強度持久的運動後のDNA損傷及び修復能は類似しているという結果を得ている。その結果に準じて、現在、尿中ステロイドホルモンレベル(エストロゲン)、唾液に基づくDNAテロメア長及びミトコンドリアDNAコピー数の定量を行い、体細胞への生理学的影響を詳細に検討するため、段階的に各種生体マーカーにおける相互の関連性を特定中である。これらのことは、ほぼ研究計画通りである。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度(2022年度)における研究結果(体力レベルを同等に比較した場合の成長期男女のスポーツ選手における中強度持久的運動後のDNA損傷及び修復能は類似しているという結果)に基づき、令和5年度(2023年度)はDNA損傷及び修復能を基準とした体細胞へのストレス度を検討するため、各種生体マーカーの定量を引き続き実施する。特に、DNA損傷・修復能と心肺持久系能力、エストロゲン濃度及びDNAテロメア長との関連性に焦点を当てながら、自律神経系及び免疫系機能の定量も段階的に実施し、性差における詳細な生理学的反応を特定していく予定である。令和4年度~令和6年度(2022年度~2024年度)までの研究で、成長期の男女アスリートにおけるパーフォーマンスの維持・向上を目指した情報提供(選手・コーチ・監督等へのフィードバック)の至適設定(モニタリングシステムの構築)を行うための判断基準を継続して探求していく所存である。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和4年度(2022年度)における一連の解析で必要となる予定であった必要物品(試料、キット)及びその他の物品(消耗品等)で、一部の研究費用が令和5年度(2023年度)に繰り越しされ、令和5年度(2023年度)及び令和6年度(2024年度)においては、令和4年度(2022年度)で得られた結果に基づき、引き続き生化学分析を行う予定である。また、上記の研究結果を得て、令和5年度(2023年度)及び令和6年度(2024年度)における研究費(旅費)は、国際学会での研究発表(アメリカ生理学会、アメリカスポーツ医学会、オーストラリアスポーツ医学会等)及び情報収集で必要となる経費に割り当てられる。
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