研究課題/領域番号 |
22K11677
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
横山 慶子 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 准教授 (30722102)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 対人協調 |
研究実績の概要 |
研究代表者は,これまでの研究を通じて「身体的コミュニケーションの上達とは,他者の動きを知覚・予想する「時間窓」の拡張である」という仮説を得た.本研究では,この仮説の『時間窓』を拡張する方法として,仮想現実の技術を用いて,他者の運動パターンを光の流れ(光流履歴)で可視化する方法を導入し,対人協調課題と対人競合課題を用いて,他者の運動パターンの光流履歴が,対人の身体的コミュニケーション(協調・競合)に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.そのために,他者の運動情報が対人協調に及ぼす影響(研究1),他者の運動パターンの光流履歴が対人協調に及ぼす影響(研究2),他者の運動パターンの光流履歴が対人競合に及ぼす影響(研究3)の3つの研究を実施する計画を立てた.当該年度では,他者の運動情報が対人協調に及ぼす影響(研究1)を検証するために,三者の協調行動を題材とした実験を実施した.具体的には,3名の参加者が円形状に配置された椅子に座った状態で,右手を台の上に置き,錘の付いたスティックを左右に揺らす課題(逆さ振り子課題)を用いて,2つの異なる運動情報の条件(三者が均一に互いの運動情報を視覚的に把握できる条件,三者が非均一に運動情報を把握する条件)で実験を実施した.今後は,各参加者の振り子の動きに関する計測データを解析することにより,三者関係の運動情報の非均一性が三者間のリズム同期に及ぼす影響について考察する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
他者の運動情報が対人協調に及ぼす影響(研究1)に関する研究については,実験の実施および解析が進んでおり,概ね順調といえるが,他者の運動パターンの光流履歴が対人協調に及ぼす影響(研究2)に関する実験の実施が当初に計画していた予定よりも遅れているため.
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今後の研究の推進方策 |
他者の運動情報が対人協調に及ぼす影響(研究1)に関する研究については,解析を進めて論文執筆に取り掛かる.他者の運動パターンの光流履歴が対人協調に及ぼす影響(研究2)に関する研究については,予備実験の実施と研究倫理審査への申請を早急に進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度では,実験を実施したものの,想定以上に物品費,旅費,謝金の支出が少なかったため,次年度使用額が生じた.翌年度では,これらの繰り越し分で,追加の実験の実施と学会参加を予定している.
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