研究課題/領域番号 |
22K11684
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研究機関 | 國學院大學 |
研究代表者 |
青木 康太朗 國學院大學, 人間開発学部, 准教授 (60593457)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | リスクアセスメント / ソフト / リスクマネジメントモデル / 安全点検 |
研究実績の概要 |
令和4年度は、リスクアセスメント支援ソフトの開発に取り組むための準備として、支援ソフトの入力項目について検討を行った。ソフトの入力項目は、主に①「傷病データ」、②「事故事例」、③「自施設のリスクマネジメントの状況」を想定しており、①②については既存の様式があるため、③の入力項目を中心に検討を行った。検討に当たっては、「自然体験活動における事故や傷病、ヒヤリハットの発生要因と安全対策に関する研究」で策定した「青少年教育施設におけるリスクマネジメントの視点」をはじめ、先行研究や参考文献のレビュー、国立青少年教育施設の安全管理担当者等との協議を通じて「自施設のリスクマネジメントの状況」を把握するためのチェックリスト項目の選定作業に取り組んだ。 また、指導者自らが傷病の発生状況や要因を検証し、安全管理計画の改善・充実を図ることができる仕組み(リスクマネジメントモデル)を構築するため、国立青少年教育振興機構における安全管理に関する新たな取組について検討を行った。令和4年度は、その取組の一つとして、施設の安全管理担当者が安全管理に関する自己評価や次年度に向けた改善策等を検討するための「安全点検レポート」の評価項目について検討を行った。その結果、具体的な評価項目としては、「安全管理マニュアルの点検・更新」「安全点検チェックシート」「傷病報告フォームのデータ及び事故事例の分析・評価」「安全管理に係る職員研修の内容」が挙げられ、これを基に、安全点検レポートの作成作業の方法やその取り扱いについて今後検討していくこととなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度も新型コロナウイルスの影響で各施設が通常通り運営できていない状況が続いていたなか、引き続き全国の国立青少年教育施設を対象に年間を通じて傷病調査を実施できたことや、「自然体験活動における事故や傷病、ヒヤリハットの発生要因と安全対策に関する研究」の研究成果を基に、リスクアセスメント支援ソフトの開発や、指導者自らが傷病の発生状況や要因を検証し、安全管理計画の改善・充実を図ることができる仕組み(リスクマネジメントモデル)の構築について検討を始められたことは一定の成果が得られたと考えている。ただ、今年度は検討段階で留まり、具体的な成果を得るには至らなかったことから、この点については次年度の課題になった。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、引き続き全国の国立青少年教育施設(27施設)を対象に自然体験活動の傷病や事故事例に関する調査を実施するとともに、リスクアセスメント支援ソフトの入力項目の選定やベータ版の作成、「安全点検レポート」の作成・運用に向けた具体的な取組を検討し、施設の安全管理計画の改善・充実を図ることができる仕組みの構築につなげていきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
リスクアセスメント支援ソフトのベータ版の作成に着手する予定であったが、令和4年度にその内容の検討に留まったため、支援ソフト作成に係る経費分が次年度に繰り越しとなった。令和5年度は、当初の計画に加え、リスクアセスメント支援ソフトのベータ版の作成に取りかかる予定である。
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