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2022 年度 実施状況報告書

明治中期から後期における「野外教育」についての比較史的研究-地域性の視点から-

研究課題

研究課題/領域番号 22K11688
研究機関早稲田大学

研究代表者

野口 穂高  早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (60434263)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード野外教育 / 野外における教育 / 地域性 / 林間学校 / 富山県
研究実績の概要

2022年度は、対象地域における野外教育実践に関する資料調査を実施するとともに、収集資料の分析を中心に研究を進めた。ただし、22年度中もコロナ禍による制限が続いており、調査に一定の制約が生じた。そこで、主にオンラインによる資料の閲覧や、図書・雑誌資料の複写物の取り寄せを中核に資料調査を行なった。調査では、野外教育に関する書籍、新聞・雑誌記事など、各地の野外教育の概要や実践の状況が記載されている一次史料の収集を実施した。また、収集した史料をもとに、地域的な差異や共通性に注目しながら、個別実践の特質を検証する取り組みを進めた。
その他、後述するように、本研究課題には基盤となった研究課題が存在する。この研究課題内で調査を実施し、21年度に野外教育学会にて成果を発表した富山県内の野外における教育の実践状況について、さらなる分析を加え論文としてまとめた。これらの研究により、明治期から大正期の富山県内における「野外における教育」の実施状況が明確になった。加えて、地域で実施された固有の実践が、「林間学校」の奨励を中心とする大正期の体育奨励策を通じて虚弱児童向けの実践として画一化していく経過など、富山県内における「野外における教育」の史的展開の実情や、その過程に東京市との類似性が見られる点等も明らかになった。
なお、筆者は、19年度から21年度の予定で科学研究費助成事業の助成を受け、同様の課題意識に基づく研究を進めてきた(基盤研究(C)、課題番号:19K11627)。しかし、コロナ禍により制約が多く、研究を継続する必要が生じた。このため、先の研究課題の期間を延長すると共に、同様の課題意識に基づきつつ、調査対象や内容を発展させた本研究課題にも取り組むことにした。本報告書に述べる実績の概要等は、その基盤となった以前の研究課題とも関連しているため、同研究の実施状況報告書も併せて参照して欲しい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

22年度は、対象地域における個別の実践や、地域に関する史料の収集と分析を中心に研究を進展させた。ただし、コロナ禍により、現地での資料調査に制限がかかる状況が継続していたため、各図書館や文書館が公開している電子資料などを用いて可能な限り資料収集を進めることとした。各地の図書館や文書館では、感染症対策としてオンラインによる資料調査への支援が進んでおり、一定の史資料を収集することが出来た。また、古書等の収集も進んだほか、研究成果の一部を論文としてまとめることが出来たため、「おおむね順調に進展している」との自己評価とした。

今後の研究の推進方策

23年度も、これまで実施した個別実践や地域史料の収集を継続する。さらに、収集した史料について、比較史的に分析し、それぞれの実践の固有の特質や意義を明らかにするほか、各地の実践に共通する普遍的な意義や価値を検証する。また、これまで東京市を中心に分析を進めてきた、明治期から昭和初期までの「野外における教育」の連続性や非連続性についても分析を進め、研究対象とする各地域において、いかに「野外における教育」が発展してきたのか、その史的発展の過程を明らかにする予定である。
その他、先に述べたように、本研究課題には基盤となった研究課題があり、既に一定の調査・分析を進めてきた(基盤研究(C)、課題番号:19K11627)。今後も、両課題を連携させながらさらに研究を深める。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 明治・大正期の富山県内における「野外における教育」と「林間学校」 -富山市内の小学校における実践を中心に-2023

    • 著者名/発表者名
      野口穂高
    • 雑誌名

      早稲田教育評論

      巻: 37 ページ: 57-76

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2023-12-25  

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