研究課題/領域番号 |
22K11706
|
研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
旭 浩一 岩手医科大学, 医学部, 教授 (60274966)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 生活習慣病 / 高血圧症 / 慢性腎臓病 / 行動医学 / Evidence-Practice Gap / 重症化予防 |
研究実績の概要 |
先行研究で収集した全国の特定健診受診者コホート群の延べ380万件の健診データと生活習慣病またはCKDの通院患者約3000人のデータベースに加え、既存地域住民健診コホートも活用し、詳細な生活習慣、行動情報を含む解析用データセットを編集し、既存の重症化予防のための各種エビデンスに基づく管理目標と診療実践との乖離(EPG)の現状とその要因の解析を行なっている。本年度の解析成果として、地域健診コホートから抽出される一般住民集団の降圧薬服用者の血圧管理状況とeGFR slopeとの関連を尿蛋白(UP)の有無別に検討し、一般住民集団の降圧薬服用者では、eGFR slopeはUP陰性群では背景因子とEPGの有無に関わらず一定である一方、UP陽性群でのみBP値上昇に伴う増加が明瞭に観察され、腎機能低下抑制の観点からの至適血圧目標の設定が可能であることが示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
一部の個別解析用のデータ整型、成果の論文化にやや時間を要している。国際学会での成果発信や情報収集が計画からの遅れがある。
|
今後の研究の推進方策 |
地域一般住民集団ならびに生活習慣病・CKD通院患者集団の既存データを収集・編集し横断的・縦断的な個別の解析を継続する。令和6年度も引き続き各種の生活習慣病・CKDの各種リスク管理の現状と管理目標との乖離(EPG)の実態の把握をさらに進め、EPGのアウトカム(CKD発症、腎機能低下、末期腎不全、心血管病発症、死亡)への影響、その背景因子を主に住民および患者の行動様式(生活習慣・行動指標および行動変容ステージ)や生活習慣(喫煙、飲酒、運動、食事、睡眠など)の面から検討し、成果を発信する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
予定された海外出張を含めた旅費支出の未執行が生じた。未執行分は令和6年度に当初予定した旅費の執行に加え、引き続きデータ処理(編集、整理等)のための人件費・謝金に充当する。
|