研究課題/領域番号 |
22K11713
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
加柴 美里 東京工科大学, 教養学環, 教授 (80338186)
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研究分担者 |
中村 真男 公益財団法人佐々木研究所, 附属研究所, 研究員 (40632972)
竹腰 進 東海大学, 医学部, 教授 (70216878) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | コエンザイムQ10 / 神経ステロイド |
研究実績の概要 |
本研究の最終目標は,神経細胞のCoQ量を増強する新規手法を確立し,健康寿命の延伸に寄与することである.研究代表者は,偶然にではあるが神経ステロイドがCoQ量増強作用を有することを見出した.研究初年度の昨年度には,まず,この現象の確認をおこなった.神経ステロイドの投与により,CoQ量が増加することを確認し,さらに,神経ステロイドの濃度依存性についても検討した.極めて低濃度でも,CoQ量増加効果があることを見出した.また,CoQ量がミトコンドリアでも増強していることを見出した.本年度は,CoQ量増加メカニズムの解明を目指して検討を行った.具体的には,CoQ合成関連遺伝子の遺伝子発現量の解析と,基質である4-ヒドロキシ安息香酸量(4-hydroxybenzoate, 4-HB)の定量を試みた.結果,CoQ合成のfinal stepの酵素の遺伝子発現量には大きな変動がないことを見出した.4-HBの測定については,HPLC-ECDを用いての解析をこころみたが,現在の測定条件では,細胞内の4-HBの測定は,その検出感度から困難であることがわかった.また,4-HB合成の上流の遺伝子発現量解析も行った.結果,複数の遺伝子発現量が顕著に増加していることを見出した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の最終目標は,神経細胞のCoQ量を増強する新規手法を確立し,健康寿命の延伸に寄与することである.研究代表者は,偶然にではあるが神経ステロイドがCoQ量増強作用を有することを見出した.研究初年度の昨年度には,まず,この現象の確認をおこなった.本年度は,CoQ量増加メカニズムの解明を目指して検討を行った.具体的には,CoQ合成関連遺伝子の遺伝子発現量の解析と,基質である4-ヒドロキシ安息香酸(4-hydroxybenzoate, 4-HB)量の定量を試みた.結果,CoQ合成のFinal stepの酵素の遺伝子発現量には大きな変動が認められなかった.4-HBの測定については,HPLC-ECDを用いての解析をこころみたが,現在の測定条件では,細胞内の4-HBの測定は,その検出感度から困難であることがわかった.4-HBの上流の遺伝子量発現解析もすすめており,いくつかの遺伝子発現量に変動があることを確認している.
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今後の研究の推進方策 |
本年度の検討で,4-HBの測定については,HPLC-ECDを用いての解析をこころみたが,現在の測定条件では,細胞内の4-HBの測定はその検出感度から困難であることがわかった.そこで,次年度は,4-HB溶液の濃縮や,あるいは検出手法の変更(蛍光プローブで誘導化し,HPLC-FLで解析するなど)を検討して,4-HBの測定を行いたい.また,4-HB上流の遺伝子発現量に変動が認められた遺伝子については,例えばその遺伝子を高発現させた場合のCoQ量を解析するなどして,その役割の検討をおこなっていきたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究そのものは順調であるが,予定していた4-HB測定がその感度の限界から測定が困難であり,測定用の試薬代が当初予定よりも少なかった.しかしながら,次年度予算で,測定法を変更した検討も行い,予定通りの測定をおこなっていきたい.
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