必須微量元素であるセレンは食品から摂取され、小腸大腸で吸収される。肝臓においてセレンは代謝され、セレンタンパク質Pという分泌タンパク質となり血中に放出されセレンを必要とする組織に送られる。小腸大腸は肝臓でのセレンタンパク質Pに依存しておらず、吸収したセレンがセレンタンパク質Pとして利用されることが近年明らかになった。小腸大腸は細胞増殖の活発な組織であり、セレンタンパク質Pの発現量が細胞増殖に関わるシグナル伝達を調節していることが示唆されている。本研究ではセレンタンパク質PがLDL受容体ファミリーに属するアポリポプロテインE受容体2(ApoER2)の6つのβシートで構成されるβープロペラドメインに結合することに着目し、小腸大腸においてもこのβ-プロペラドメインを持つ受容体タンパク質が関わるのかを解析した。LDL受容体ファミリーの中で小腸大腸に多く発現するLRP5/6に着目し、免疫沈降を行ったところ、結合することを明らかにした。
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