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2023 年度 実施状況報告書

長期禁煙治療の有効性を検証する多施設共同前向き無作為化群間並行比較試験

研究課題

研究課題/領域番号 22K11744
研究機関独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター)

研究代表者

小見山 麻紀  独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 展開医療研究部, 主任研究員 (10771496)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード禁煙 / 禁煙成功率 / ニコチン依存度 / 抑うつ状態 / 禁煙治療
研究実績の概要

喫煙は疾病や死亡の最大原因であり、禁煙推進は国民の健康と福祉に寄与する最重要課題である。わが国においては、2006年より3カ月間の禁煙治療が保険診療として行われ、禁煙外来が全国的に普及した。しかしながら、ニコチン依存の強い喫煙者、また神経症・潜在的抑うつ状態にある患者は禁煙成功率が低い。さらに3カ月間の治療で禁煙に成功した者の内、4割以上が治療終了から9カ月の間に再喫煙に至っている。6カ月など長期に渡る禁煙治療により禁煙成功率が高まる可能性が海外で報告されている。しかし、わが国においては、禁煙治療の標準手順書において、3カ月間(12週間)で5回のニコチン管理指導終了後の具体的な診療指針については全く言及されていない。よって、3カ月間(12週間)を超える長期の禁煙治療のエビデンス構築と、そのエビデンスに基いた日常診療への応用が急務である。そこで本研究の目的は、禁煙を希望して禁煙外来を受診した喫煙者の中で、禁煙成功率が低い(ニコチン依存が高い、または抑うつ傾向が高い)喫煙者を対象に、バレニクリンによる長期(6カ月:24週間)禁煙治療(カウンセリング+禁煙補助薬)の有効性を検証することである。
禁煙治療において添付文書ではバレニクリンは6ヶ月の長期処方が認められているが、出荷停止の状況が長く続いている。そこで本研究を推進するため、禁煙を困難にしている因子の検討を行い、特に喫煙開始年齢とニコチン依存との関係について成果を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

禁煙外来にてバレニクリンが出荷停止の状況が長く続いているが、本研究を推進するため、これまで当院の禁煙外来を受診した1382人のデータを解析し、禁煙を困難にしている因子の検討を行った。その結果、 喫煙開始年齢が20歳未満の喫煙者は, 喫煙開始年齢20歳以上の喫煙者よりも, 1日当たりのタバコ本数が多く, ニコチン依存性が高く, 抑うつ状態が多く, 禁煙率も低いことを見出した。さらに詳細な検討を行った結果、4区分に分けた検討で、22歳以上の喫煙開始者は20-21才喫煙開始者より、さらにニコチン依存度が低かった。成人前後の年齢層では1~2歳の違いでも、喫煙開始年齢の高い方がニコチン依存度は低いことが明らかになった。

今後の研究の推進方策

引き続きデータを解析し、禁煙を困難にしている因子の検討を行い、今後、特に強力な禁煙治療が必要な人の同定を行ってゆく。

次年度使用額が生じた理由

予定通り計画は進捗し、3,571円の端数がでているが経費執行も予定通りである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] Impact of smoking initiation age on nicotine dependency and cardiovascular risk factors: a retrospective cohort study in Japan2023

    • 著者名/発表者名
      Mittal Swati、Komiyama Maki、Ozaki Yuka、Yamakage Hajime、Satoh-Asahara Noriko、Wada Hiromichi、Yasoda Akihiro、Funamoto Masafumi、Katanasaka Yasufumi、Sunagawa Yoichi、Morimoto Tatsuya、Akao Masaharu、Abe Mitsuru、Takahashi Yuko、Nakayama Takeo、Hasegawa Koji
    • 雑誌名

      European Heart Journal Open

      巻: 4 ページ: oead135

    • DOI

      10.1093/ehjopen/oead135

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 隠れたうつ状態の患者をいかに見つけて対処するか2023

    • 著者名/発表者名
      小見山麻紀
    • 学会等名
      第18回禁煙科学会学術総会
  • [学会発表] Anti-tobacco Politics and Smoking Cessation Program -Japanese Experience-2023

    • 著者名/発表者名
      Maki Komiyama
    • 学会等名
      National Cardiovascular Disease Prevention Plan 2023
    • 国際学会
  • [学会発表] Effects of Smoking Cessation on the Levels of Immunoglobulin Free Light Chain A Novel Biomarker of Inflammation2023

    • 著者名/発表者名
      Maki Komiyama, Akira Matsumori, Hiromichi Wada, Yamakage H, Satoh-Asahara N, Yasoda A, Hasegawa K.
    • 学会等名
      the 28th Annual Scientific Meeting of the ISCP
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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