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2022 年度 実施状況報告書

骨格筋サルコメアの恒常性維持機構ならびにその破綻として捉えるサルコペニア

研究課題

研究課題/領域番号 22K11754
研究機関宮崎大学

研究代表者

鹿毛 陽子  宮崎大学, 医学部, 助手 (30776688)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードサルコメア / アクチン / フォルミン
研究実績の概要

高齢化が急速に進行する日本にとって、加齢に伴う筋量や筋力の低下、すなわち「サルコペニア」は深刻な問題である。サルコペニアは、横紋筋の収縮単位であるサルコメアの恒常性が内的・外的な要因によって維持できなくなることで発症すると考えられているが、詳しい分子機序はよく分かっていない。そもそも、サルコメアという装置の収縮メカニズムはこれまでの長年の研究によって基本的にほぼ解明されたのに対して、本装置がどうやって構成分子をターンオーバーさせてその恒常性を保っているか、に関しては未だ不明な点が多いからである。本研究では、同じ横紋筋である心筋サルコメアで近年明らかとなってきたアクチン分子のターンオーバー様式を参考にその相同性と相違性を明確にしながら、骨格筋サルコメアの恒常性維持機構を解き明かすことで、効果的なサルコメアの維持や筋量増加といったサルコペニア新規治療法の創出につなげたい。本年度は心筋におけるアクチン動態の制御因子であるフォルミン蛋白質Fhod3の欠損マウスを用いた組織細胞化学的解析および生化学的解析等により、骨格筋におけるFhod3の役割を検討した。その結果、心筋と比較して量は少ないものの、骨格筋においてもフォルミン蛋白質Fhod3が発現していること、心筋と同様にフォルミン蛋白質Fhod3がサルコメアの成熟過程に関わる可能性があること、さらに、心筋のFhod3とは局在様式に違いがあり、骨格筋特有の機能が示唆された。これらの結果に基づき、骨格筋におけるアクチン・ターンオーバーの制御機構の解明を目指したい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナ禍の影響による実験動物の飼育制限等があったため、実験に滞りが生じた。

今後の研究の推進方策

新型コロナの5類移行によって実験をとりまく状況は改善しつつあり、当初の研究計画にできるだけ沿う形で進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍による実験動物の飼育制限等があったため、実験に滞りが生じた。新型コロナの5類移行によって実験をとりまく状況は改善しつつあり、当初計画にできるだけ沿った形で進めていく予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Selective optogenetic activation of NaV1.7-expressing afferents in NaV1.7-ChR2 mice induces nocifensive behavior without affecting responses to mechanical and thermal stimuli.2022

    • 著者名/発表者名
      Maruta T, Hidaka K, Kouroki S, Koshida T, Kurogi M, Kage Y, Mizuno S, Shirasaka T, Yanagita T, Takahashi S, Takeya R, Tsuneyoshi I
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 17 ページ: e0275751

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0275751

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Extracellular signal-regulated kinase phosphorylation enhancement and NaV1.7 sodium channel upregulation in rat dorsal root ganglia neurons contribute to resiniferatoxin-induced neuropathic pain: The efficacy and mechanism of pulsed radiofrequency therapy.2022

    • 著者名/発表者名
      Hidaka K, Maruta T, Koshida T, Kurogi M, Kage Y, Kouroki S, Shirasaka T, Takeya R, Tsuneyoshi I
    • 雑誌名

      Molecular Pain

      巻: 18 ページ: 1-12

    • DOI

      10.1177/17448069221089784

    • 査読あり
  • [学会発表] 肥大型心筋症の原因遺伝子FHOD3の病原性変異がもたらす機能的変化2022

    • 著者名/発表者名
      坂田鋼治, 鹿毛陽子, 武谷立
    • 学会等名
      第95回日本生化学会大会
  • [学会発表] 心筋症におけるフォルミン蛋白質FHOD3変異の意義と分子病態2022

    • 著者名/発表者名
      坂田鋼治, 鹿毛陽子, 武谷立
    • 学会等名
      第45回日本分子生物学会

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公開日: 2023-12-25  

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