研究課題/領域番号 |
22K11759
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研究機関 | 群馬パース大学 |
研究代表者 |
高橋 克典 群馬パース大学, 医療技術学部, 准教授 (90597551)
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研究分担者 |
久保原 禅 順天堂大学, 大学院スポーツ健康科学研究科, 教授 (00221937)
菊地 晴久 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 教授 (90302166)
木村 鮎子 群馬パース大学, 医療技術学部, 講師 (50553616)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | セクリトーム解析 / 合成化合物 / サイトカイン / IL-2 |
研究実績の概要 |
我々はこれまで、免疫系培養細胞に種々の合成化合物を添加した際に変化する培養上清中の分泌蛋白量をセクリトーム解析により網羅的に探索することを第一の目的として実験を進めてきた。その過程で、免疫細胞由来のサイトカイン産生に影響を与える可能性のある、いくつかの合成化合物を見出し新薬候補化合物と位置付けた。そこで、2023年度は、新薬候補化合物の化学構造をベースとしたアナログ化合物を多数合成し、それらの薬効について検討した。その結果、K562細胞(白血病細胞株)に対する抗腫瘍作用(IC50=17μM)を示す化合物を見出し、学術誌に報告した(Molecules,2024)。 また我々は、先行研究においてグラム陽性菌に対して抗菌活性を示す数種の化合物を見出したことを報告しているが(Biomolecules, 2019)、その際にアルブミン共存下における抗菌効果の減弱が課題となっていた。そこで今回は、抗菌活性を有する化合物の側鎖改変などにより作成したアナログ化合物を準備し、アルブミン共存下における抗菌活性の検討を行った。その結果、アルブミン共存下でもある程度薬効を維持する化合物を見出した(論文作成中)。抗菌薬を血中投与した際、血液中のアルブミンと結合して薬効を失うケースがあるが、我々が見出したアナログ化合物は、血中でも薬効を発揮する可能性が示唆された。 本年度は、これまでの研究で合成したアナログ化合物を中心にセクリトーム解析を実施し、サイトカインだけでなく、種々の分泌蛋白に対するアナログ化合物の影響を調べることで新薬候補化合物の探索に繋げたいと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、セクリトーム解析をベースとして実験のデザインを構築しているが、2023年度はセクリトーム解析に用いる質量分析装置の不具合により、メインの実験が行えない期間があった。そのため当初の予定よりやや研究スピードが遅れている。ただし、装置が使用できない期間も、関連実験を進めており、その成果を学術誌に投稿している。 現在は、装置のトラブルも解消されたため、本年度は研究の進行スピードを上げて進めていきたいと考える。
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今後の研究の推進方策 |
まず、これまで何らかの薬理作用が確認できている合成化合物の化学構造と薬効の相関関係から、より強力な薬理作用を有する化合物の構造を推定し、合成する。そして、新たに合成した化合物の薬理作用の増減や、細胞毒性を確認しながら新薬の候補を探索する。 次に、新薬候補化合物に対し、セクリトーム解析を実施し、各種分泌蛋白発現への影響など、薬理作用以外の副次的な作用の確認を行う。さらに、細胞の種類を変えて同様の実験を行い、より安全で強力な薬理作用を有する化合物の探索に繋げていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該期間のうち、セクリトーム解析を行うための質量分析計の不具合により、当初予定していた実験を中断せざるを得ない状況となった期間があり、そのぶん購入試薬額が減少したことが理由と考えられる。
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