研究課題
我々は先行研究により、高度肥満患者を対象とした、マイクロアレイを用いた網羅的トランスクリプトーム解析から、「(同一人の皮下脂肪に対して)内臓脂肪優位に発現する遺伝子(A)」を約500個、「NASH特異的、あるいはステージ特異的に発現が変化する遺伝子(B)」をやはり約500個ほど得ている。そこで、両者を「臓器横断的に」比較して、共通した遺伝子群及び分子ネットワークの抽出を試みた。その結果、炎症性サイトカイン群(ただしIL-6は除く)、のほか、細胞接着関連分子、細胞外基質および線維化関連分子、細胞周期や増殖に関わる遺伝子、などが得られた。代謝に関しては、糖や脂質代謝の主な経路の分子は比較的少なく、側副回路などの関与が示唆された。ただし、パスウエイとして共通でも構成分子やそのアイソフォームが脂肪組織と肝で異なるものも認めた。このほか、生理機能が十分に解明されていない分泌因子、全く機能の報告のない遺伝子、なども抽出された。
3: やや遅れている
新型コロナ対策で研究に割けるエフォートに限りがあったため。
引き続き研究計画に沿って進めてゆく予定である。
新型コロナ対策で十分なエフォートを研究に避けなかったため、2022年度は既存のデータの分析を中心とした。そのため、予定していた物品費などを使用しなかったため、より有効に研究に活用するため、翌年度へ繰り越している。今後は当初の計画に沿って研究を進めるために、研究費を有効利用する。
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Clin Epigenetics
巻: 14 ページ: 168
10.1186/s13148-022-01379-4.