• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

上肢骨折後の左右活動量対称性を指標とした二次骨折発生メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K11768
研究機関奈良学園大学

研究代表者

飯塚 照史  奈良学園大学, 保健医療学部, 教授 (50581667)

研究分担者 車谷 洋  広島大学, 医系科学研究科(保), 講師 (00335647)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード橈骨遠位端骨折 / 上肢活動量 / 二次骨折
研究実績の概要

本研究では上肢骨折による中枢機能の変化が下肢機能へと影響し,転倒リスクとなるか否かについて明らかにする.2023年度においては,65歳以上の健常高齢者と上肢骨折としての橈骨遠位端骨折患者における上肢活動量計の経時的データについてそれぞれを比較検討した.受傷側が利き手である場合,左右対称的使用が速やかに改善する一方で,非利き手が受傷側である場合にはその改善が遅延する傾向を得た.
さらに,健常人5名,および橈骨遠位端骨折患者3名に対し術後1週,4週,12週における上肢の急峻な動きに対する下肢の筋収縮の反応性についてもデータ収集を行った.これは,外乱が与えられた際に転倒しないよう姿勢を維持するための中枢機能を反映する.この際,当該運動における上肢筋の収縮と加速度計で示される動きには時間差(mechanical delay)がある.すなわち運動速度であり,これと下肢筋(前脛骨筋)の収縮タイミングの関係性について検討を行っている.解析途中であるため結論には至っていないが,一定の傾向を有しているものと捉えている.
以上の2023年度におけるデータ収集から上肢骨折後の転倒リスクに関連する可能性のある上肢および下肢機能変化を推測したうえで仮説を立て,本研究グループで先行発表している動的バランス能力の低下との関連性について以降検討する予定としている.一連の研究から導き出される上肢骨折後の転倒リスクに関する知見は,二次骨折予防に資するものであり健康寿命延伸につながるため有用である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上肢骨折患者においては経時的データの収集を要するため,1人につき3ヶ月を要する.年度当初に倫理承認を受けて動員を開始し,速やかなデータ収集につながっている.しかし,解析に時間がかかっている.

今後の研究の推進方策

上肢骨折後の下肢機能については,残り2名のデータ計測を残しており,これを行ったのち,健常高齢者との比較検討を行う.
また,上肢骨折後の上肢機能変化として,複数筋活動のパターン解析を行う予定であり,前述下肢機能に関するデータ収集が終了後に,新たな動員を行う.なお,これについては研究倫理委員会にてすでに承認を得ている.
以上について学術集会等での発表を通じて意見を聞き,総括したうえで2025年度内に上肢骨折後の二次骨折発生メカニズムについての解明を行う.

次年度使用額が生じた理由

データ収集および解析結果の進捗報告にて対応可能であったため代表者,共同研究者間での移動が不要であったことが一因である.次年度以降は,結果に関する学会発表および,データ解析に必要な各種機器の購入を予定している.

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi