研究課題/領域番号 |
22K11779
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
服部 秀美 宮崎大学, 農学部, 教授 (80508549)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 1型糖尿病 / 耐糖能異常 / 果糖ぶどう糖 / 壮年期 / インスリン |
研究実績の概要 |
1型糖尿病は、膵臓のランゲルハンス島のβ細胞の破壊・脱落によるインスリン分泌機能の低下によって生じる。その原因の約90%が自己免疫性によるもので、残りの10%が特発性であり分かっていないことは多い。緩徐進行1型糖尿病は、劇症1型糖尿病などとは異なり徐々にインスリン分泌が低下する。また、30歳以降に発症することが多く、明らかな発症要因は同定されていない。申請者は、緩徐進行1型糖尿病の発症が食生活に起因するのではないかと考えている。 申請者は、若齢マウスを使用して、摂取エネルギー量を制限させ、かつ果糖ぶどう糖液糖水(HFCS)を過剰摂取させることによる糖尿病モデルマウスの作製を確立している。本年度は、ヒトの壮年期に該当する週令のオス及びメスのマウスを用いて、申請者の確立した方法で1型糖尿病発症モデルマウス作製の確立を検討した。耐糖能異常を調べるために経口グルコース負荷試験、インスリン負荷試験を行った。それらの試験後に解剖を行い、膵臓、肝臓、皮下・内臓脂肪組織の質量を測定し、血液生化学検査を行った。さらに膵臓組織の組織標本を作製し、膵臓のランゲルハンス島の形態変化について調べた。 その結果、オスマウスでは、体重や皮下・内臓脂肪組織の質量は増加しないにもかかわらず、耐糖能障害を発症した。しかし、その要因がインスリン抵抗性の可能性が高く、非肥満型2型糖尿病モデルマウスであると考えられた。メスマウスは個体差が大きく検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
メスマウスの耐糖能異常について個体差が大きく、この原因の検討に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
メスマウスの耐糖能の個体差にはエストロゲンが影響しているのではないかと考え、4-vinylcyclohexene diepoxideの使用、あるいは卵巣摘出術による閉経モデルマウスを作製し、検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
日本農芸化学会2023年度大会がオンライン開催となったため、その旅費が未使用となった。論文掲載料に充てる予定である。
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