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2022 年度 実施状況報告書

硫黄呼吸によって制御される新たな脂肪細胞機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K11796
研究機関東北大学

研究代表者

海野 雄加  東北大学, 医学系研究科, 助教 (30433212)

研究分担者 赤池 孝章  東北大学, 医学系研究科, 教授 (20231798)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード脂肪細胞 / 脂肪滴 / 超イオウ分子 / 硫黄メタボローム / 中性脂肪 / ケミカルバイオロジー / 酸化ストレス
研究実績の概要

我々は、ミトコンドリア呼吸鎖に共役して、硫黄代謝物を利用してエネルギーを作り出すエネルギー産生系(硫黄呼吸)を見出し報告している(Akaike T, et al, 2017, Nat. Commun.)。硫黄呼吸は嫌気的(低酸素状態)でも好気的な環境においても生体に必須なエネルギー代謝であり、様々な病態や組織でその利用が認められているが、脂肪細胞/脂肪組織での硫黄呼吸の利用の有無やその病態学的意義は明らかになっていない。本研究の目的は、脂肪細胞/脂肪組織における硫黄呼吸経路に着目し、その生理機能の全貌を明らかにすることである。
初年度は、脂肪細胞分化能を有した株化細胞3T3-L1を用いて、質量分析に基づく超硫黄分子種の精密同定・定量法、ラマン分光法を利用した硫黄の代謝状態を評価する計測技術の確立を目指し研究を行った。
我々がすでに確立している超硫黄メタボローム解析技術(Ida T, Akaike T, et al, 2014, Proc. Natl. Acad. Sci. U S A.)を脂肪細胞へと適用を拡大するとともに、システインパースルフィド[Cys-SSH]、システインポリスルフィド[Cys-S(S)nH]、グルタチオンパースルフィド[G-SSH]グルタチオントリスルフィド[G-SS-SH]などの様々な超硫黄分子種が脂肪細胞においても内因性に生成していることを明らかにした。
今後、これら脂肪細胞/脂肪組織における超硫黄分子種の制御機構、特に貯蔵と分解の制御機構に着目し解析を進める。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

脂肪細胞に着目した超硫黄分子種の解析手法の確立に成功した。

今後の研究の推進方策

確立した超硫黄分子種の解析手法を用いて、脂肪細胞/脂肪組織における超硫黄分子種の制御機構(貯蔵と分解、代謝)を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

当初の計画よりも順調に成果が得られたため。
また、コロナ禍により、web開催での学会参加が多くなったため。
繰越金は、次年度に計画している遺伝子改変動物の作製や精密質量分析を用いた解析に充足し、より精度の高い解析を行う。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 脂肪細胞の硫黄代謝調節機構の解明2022

    • 著者名/発表者名
      海野雄加 , 井田 智章 , 高田 剛 , 松永 哲郎 , 守田 匡伸 , Jung Minkyung , 赤池 孝章
    • 学会等名
      第21回分子予防環境医学研究会
  • [学会発表] 細菌・ミトコンドリアにおける硫黄転移酵素ロダネーゼを介した超硫黄代謝機構の解明2022

    • 著者名/発表者名
      海野雄加, 松永哲郎, 守田匡伸, ジョン ミンキョン, 高田 剛, 井田智章, 吉沢 道人, 本橋ほづみ, 赤池孝章
    • 学会等名
      第95回日本細菌学会総会
  • [学会発表] 脂肪細胞の超硫黄代謝機構の解明2022

    • 著者名/発表者名
      海野雄加, 井田 智章, 高田 剛, 松永 哲郎, 守田 匡伸, Jung Minkyung, 吉沢 道人, 赤池 孝章
    • 学会等名
      第75回日本酸化ストレス学術集会
  • [学会発表] Sulfur metabolism in cyclo-octasulfur S8-loaded 3T3-L1 adipocytes2022

    • 著者名/発表者名
      Yuka Unno, Tetsuro Matsunaga, Tsuyoshi Takata, Masanobu Morita, Minkyung Jung, Tomoaki Ida, Michito Yoshizawa, Takaaki Akaike
    • 学会等名
      Redox Week in Sendai 2022, The 12th International NO Conference & The 22nd NOSJ
    • 国際学会
  • [学会発表] 培養脂肪細胞を用いた超硫黄分子S8の代謝機構の解明2022

    • 著者名/発表者名
      海野雄加、井田智章、高田剛、松永哲郎、守田匡伸、Jung Minkyung、吉沢道人、赤池孝章
    • 学会等名
      第33回日本生体防御学会学術総会

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公開日: 2023-12-25  

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