研究課題/領域番号 |
22K11853
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
関 泰輔 愛知医科大学, 医学部, 教授 (20528822)
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研究分担者 |
今釜 史郎 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (40467288)
大澤 郁介 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (40822812)
竹上 靖彦 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (50755345)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 終末糖化産物 / 運動器疾患 / 転倒リスク / 骨粗鬆症 / ロコモティブシンドローム / サルコペニア / 住民健診 / AGEs |
研究実績の概要 |
体内のタンパク質と糖分の結合(糖化反応)により、終末糖化産物AGEsが産生される。AGEsには様々な測定法があるが、皮膚自己蛍光(AF)値は組織に蓄積されたAGEsを簡便に測定でき、血清AGEsと有意な相関を示す再現性のある非侵襲的検査である。AF値が年代の生理範囲より大きいと運動器疾患発生のリスクが高まると考え、住民検診参加者のAGEsと運動器障害の関連を調査した。 対象は2022年8月に実施した北海道八雲町住民検診を受診した40歳以上の265名(女性142名)である。踵骨超音波骨密度、ロコモ検診、サルコペニア(BIA法)、転倒リスク(FRI)の評価を行い骨粗鬆症O群、ロコモ度1以上L群、サルコペニアをS群とした。FRIは転倒に関する5項目の質問(0-13点)から、6点以上を転倒リスクありF群とした。AF値は、国内承認医療機器のAGEsリーダー(Diagnoptics社)で対象者の右前腕掌側皮膚を測定した。外部対象にKoetsierらの健常人年代別AF平均値を用い、平均値以上(n=48)と未満で2値化した。各群でAF値を比較(t検定)、AF値、患者特性、糖尿病、喫煙で調整したロジスティック回帰分析でオッズ比を算出した(p<0.05)。 結果:平均年齢65.3歳、BMI 23.4kg/m2、平均AF値は男性2.21女性2.07AU(参考値50-60歳2.09, 60-70歳2.46AU)で有意に男性が高値であった。O,L,F群で有意にAF平均値が高かった。ロジスティック回帰分析で、F群のみAF平均値以上でオッズ比(OR) 3.19( 95%CI 1.37-7.42)と有意であった。 結論:年齢と関連の強い運動器障害の中で、AF値と転倒リスクが関連した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナにより3年間住民健診は制限された中であったが、初年度は可能な限り検診業務を実施でき、データ収集できた。しかし過去の検診参加者より減少している。前回研究から継続している酸化ストレスの血清検査に加え、今回購入したAGEs皮膚自己蛍光測定を実施した。データをまとめて、学会に発表予定である。論文化の準備をしている。
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今後の研究の推進方策 |
毎年の検診参加継続、自施設での検診を追加検討中。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度は新型コロナの影響により住民健診が制限されたため、本研究の遂行に影響がでた。具体的には、検査試薬の購入が予定より少なかった。しかしながら、次年度は予定通り検診が実施されるため、検査試薬や測定機器に費用が必要となる見込みです。
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