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2022 年度 実施状況報告書

食品機能性の日常食適用をめざすフラボノイドの調理・保存変化と生体内炎症指標の検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K11856
研究機関静岡県立大学

研究代表者

市川 陽子  静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (50269495)

研究分担者 下位 香代子  静岡県立大学, 食品栄養科学部, 客員教授 (10162728)
合田 敏尚  静岡県立大学, 食品栄養科学部, 特任教授 (70195923)
大槻 尚子  静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (20825004)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードフラボノイド / ポリフェノール / 調理変化 / 吸収動態 / ヒト試験
研究実績の概要

本研究は、フラボノイドの有する多様な機能性に着目し、慢性代謝性疾患を予防する食品機能性を日常食に適用した「健康な食事」を提案・推奨するための科学的根拠の蓄積を目的とする。これまでに、適正な栄養量・バランスに配慮した「健康な食事」をベースに、フラボノイド含有量の高い食材を選択的に用いて「高フラボノイド食」を立案し、実測によりフラボノイド量を確認して開発を行ってきた。また、同じく開発した「フラボノイド低減食」と「高フラボノイド食」を用いてヒト介入試験を実施し、短期継続摂取後の生体内炎症マーカーを指標とした疾病リスク低減効果の検討を行っている。同時に、高フラボノイド食の設計に活用できるよう食材別・調理法別のフラボノイド量、総ポリフェノール量、抗酸化活性の検討と整理を行っている。
2022年度は、豆腐の単体摂取時のフラボノイド吸収動態に調理方法が及ぼす影響について検討した。生の木綿豆腐および炒め、煮、電子レンジ調理を加えた木綿豆腐を試験食とした。試験食中のフラボノイドの種類、含有量、各種調理法による含有量の変化については、年間を通じてサンプル処理を行い、HPLCにて測定を行った。ヒト試験のプロトコールとして、フラボノイド低減食で2日間のウォッシュアウト後、3日目の朝食として、調理した豆腐を摂取させた。予備試験(摂取後12時間まで追跡)の結果をふまえ、3日目の朝食摂取前、摂取後1、2、4、6、8時間に肘正中皮静脈より採血を行い、併せて朝食摂取前から24時間蓄尿を行った。血中フラボノイド濃度は、血漿を酵素加水分解処理し、酢酸エチルにて抽出後、LC/MSを用いてフラボノイドアグリコンとして測定した。尿中フラボノイド濃度は、尿に酵素加水分解後、Sep-Pakにて抽出後、LC/MSを用いて測定した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2022年度はヒト介入試験により、調理法別の豆腐を試験食としたフラボノイド吸収動態の検討と、高フラボノイド食の短期継続摂取後の炎症性サイトカインの遺伝子発現、抗炎症作用による疾病リスク低減効果を検討を中心に行う予定であったが、COVID -19の感染拡大による影響が残り、被験者のリクルートに制限が生じた。その結果、調理法別の豆腐摂取後のフラボノイド吸収動態の検証試験の開始が2023年2月にずれ込んだ。吸収動態試験は現在、6月中に終了する見込みであり、その後ただちに高フラボノイド食の継続摂取試験の準備を進める。

今後の研究の推進方策

COVID-19については感染症法上の分類が5類に変更されたが、2023年度も引き続き感染防止に配慮しながらフラボノイド吸収動態のヒト試験を実施するとともに、次に行う高フラボノイド食継続摂取試験の準備を進める。
まず、2月から実施している豆腐摂取後の吸収動態試験の解析を完了する。その後、被験者(10名を予定)のリクルートを行い、習慣的な食事摂取状況調査、日常の生活活動量等を把握したうえで、高フラボノイド食、対照としてフラボノイド低減食を用いたヒト介入試験を秋から実施する。7日間の試験食継続摂取後の炎症性サイトカイン(IL-1β、IL-6、IL-8、IL-18、TNF-α)のmRNA量等を測定し、以前から同様に行ってきた試験のデータと合せて再解析を行い、高フラボノイド食の日常的な摂取による疾病リスク低減効果について検証する。
また同時進行で、食材別・調理法別のフラボノイド量、総ポリフェノール量、抗酸化活性の変化に関する測定・データ収集もできるだけ進める。さらに、今後コンビニエンスストア等をはじめとする中食において、「健康な食事」として普及可能な高フラボノイド食のレシピ開発を行い、試験販売やモニタリングも行っていく。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19の感染拡大の影響を受け、被験者のリクルートが制限されたためにヒト介入試験の実施予定に遅延が生じた。被験者の負担軽減費、採血業務担当者(医師、看護師)の謝金、血中バイオマーカー測定等に係る費用は、2023年度のヒト介入試験の開始に備えて計画的に繰り越しを行った。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 豆腐摂取後のフラボノイドの吸収動態に調理方法が及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      青木夢那、萬年遼、大槻尚子、合田敏尚、下位香代子、市川陽子
    • 学会等名
      第77回日本栄養・食糧学会大会
  • [学会発表] The effects of cooking methods and times course for functional component in foodstuffs after cooking2022

    • 著者名/発表者名
      Ryo Mannen, Momoka Kawasaki, Naoko Otsuki, Kayoko Shimoi, Yoko Ichikawa
    • 学会等名
      The 8th Asian Congress of Dietetics (ACD 2022)
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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