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2022 年度 実施状況報告書

食事に起因する大腸癌における慢性炎症による病態進展メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K11873
研究機関東京大学

研究代表者

岩部 美紀  東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (70392529)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード慢性炎症 / 大腸癌 / 腸内細菌叢
研究実績の概要

大腸癌の発症および病態の進展には、環境因子と遺伝要因および両者の相互作用が寄与しており、なかでも食事や生活習慣などの環境因子に与える影響も大きいとされているが、その詳細な分子メカニズムは十分に明らかになっていない。本課題では、食事に起因する大腸癌において、大腸癌の病態進展における慢性炎症の分子メカニズムの解明、大腸癌の病態進展に及ぼす腸内細菌叢の解析、食事に起因する大腸癌に対する病態改善を目指した方略の探索を行うことを目的とし、これまでに明らかにされていない食事に起因する大腸癌の病態進展メカニズムを明らかにする。本課題では、(1)大腸癌の病態進展における慢性炎症の分子メカニズムの解明、(2)大腸癌の病態進展に及ぼす腸内細菌叢の解析、(3)食事に起因する大腸癌に対する病態改善を目指した方略の探索を行う。
(1)大腸癌の病態進展における慢性炎症の分子メカニズムの解明:生理活性物質ISPP1欠損マウスの各組織における炎症状態を解析した。ISPP1欠損マウスの腸、血球、マクロファージなどの組織における炎症性サイトカインの量と多様性を経時的に解析し、病態の進展との関連を検討したい。また、最適な培養細胞を用い、細胞内シグナル伝達機構の一部を明らかにした。(2)大腸癌の病態進展に及ぼす腸内細菌叢の解析:次世代シーケンサーを用いて、食事の内容を変化させ、各種ISPP1欠損マウス、組織特異的ISPP1欠損マウスを組み合わせ、腸内細菌叢の変化を網羅的に解析した。大腸癌の発症に関与する腸内細菌叢のバランスもしくは腸内細菌の特定に至った。(3)食事に起因する大腸癌に対する病態改善を目指した方略の探索:活性を持つ様々なISPP1分子を設計し、大腸癌モデルマウスに投与することによって、食事に起因する大腸癌の病態改善効果が得られるか検討を試みた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請時、予定していた研究項目((1)大腸癌の病態進展における慢性炎症の分子メカニズムの解明、(2)大腸癌の病態進展に及ぼす腸内細菌叢の解析、(3)食事に起因する大腸癌に対する病態改善を目指した方略の探索)、全ての研究項目について、それぞれ令和4年度に予定していた計画内容について、当初の計画通り進展している。

今後の研究の推進方策

令和4年度については、当初予定していた計画内容について、ほぼ達成し、おおむね順調に進展している。そのため、本研究の推進において、研究体制及び研究計画に大幅な変更の必要性は低いと思われ、当初の計画通り、研究を推進する予定である。本研究課題のさらなる進展・加速を目指すべく、研究連携者を含めた各人の実験の精度の向上とスピードアップを図り、目的を早期に達成したいと考えている。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (9件) (うち国際学会 1件、 招待講演 7件) 図書 (2件)

  • [学会発表] 糖尿病・肥満関連疾患に対する新規治療法創製に向けた取り組み2023

    • 著者名/発表者名
      岩部 美紀
    • 学会等名
      東京大学医学部附属病院22世紀医療センターセミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] 糖尿病・生活習慣病に対する画期的新規治療法開発への挑戦2023

    • 著者名/発表者名
      岩部 美紀
    • 学会等名
      東京大学医学部附属病院第18回22世紀医療センターシンポジウム
  • [学会発表] アディポネクチン受容体の新たな構造と多彩な機能2022

    • 著者名/発表者名
      岩部 美紀、岩部 真人、門脇 孝、山内 敏正
    • 学会等名
      第65回 日本糖尿病学会年次学術集会
  • [学会発表] 遺伝子改変マウスを用いた新規糖尿病治療薬創製2022

    • 著者名/発表者名
      岩部 美紀
    • 学会等名
      第35回 日本糖尿病・肥満動物学会年次学術集会
    • 招待講演
  • [学会発表] 多角的アプローチによる内分泌代謝学研究の魅力2022

    • 著者名/発表者名
      岩部 美紀
    • 学会等名
      第32回 臨床内分泌代謝Update
    • 招待講演
  • [学会発表] アディポネクチン受容体の多彩な機能2022

    • 著者名/発表者名
      岩部 美紀
    • 学会等名
      第43回 日本肥満学会、第40回 日本肥満症治療学会学術集会
    • 招待講演
  • [学会発表] Development of novel adiponectin receptor-targeted antidiabetic drugs2022

    • 著者名/発表者名
      Miki Okada-Iwabu
    • 学会等名
      7th Taiwan-Japan Academic Research Organization Workshop
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 健康長寿を目指した新規糖尿病治療法開発に向けた取り組み2022

    • 著者名/発表者名
      岩部 美紀
    • 学会等名
      Cutting Edge of Metabolic Research 2022
    • 招待講演
  • [学会発表] 多角的アプローチによる新規糖尿病治療法開発に向けた挑戦2022

    • 著者名/発表者名
      岩部 美紀
    • 学会等名
      Diabetesワークショップ ~On-line Lecture with the Experts of Other Universities~
    • 招待講演
  • [図書] 「脂肪細胞産生分子がつなぐ臓器連関」循環器内科2022

    • 著者名/発表者名
      岩部 真人、岩部 美紀、山内 敏正
    • 総ページ数
      120
    • 出版者
      科学評論社
  • [図書] 【糖尿病診療update-診断・治療の最新動向-】分子糖尿病「アディポネクチンの作用機構の解明」日本臨牀2022

    • 著者名/発表者名
      岩部 美紀、岩部 真人、山内 敏正
    • 総ページ数
      197
    • 出版者
      日本臨牀社

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公開日: 2023-12-25  

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