研究課題/領域番号 |
22K11882
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研究機関 | 高崎健康福祉大学 |
研究代表者 |
河原田 律子 (那須律子) 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 准教授 (60383147)
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研究分担者 |
大野 洋一 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (10709059)
中村 彰男 実践女子大学, 生活科学部, 教授 (30282388)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 脳神経細胞 / 妊娠 / ラット |
研究実績の概要 |
これまでの研究で妊娠糖尿病(GDM)モデルラットの新生仔の心臓において、糖化によりインスリン抵抗性を誘導するを明らかにした。しかし、妊娠中母ラットにn-3系不飽和脂肪酸を投与することで、糖化を抑制し、仔のシグナル伝達を改善することを明らかになった。本研究では、GDMラットモデルとラット副腎褐色細胞腫由来のPC12細胞を用いて、脳神経細胞に対する影響を調べた。さらに、n-3およびn-7不飽和脂肪酸(シス-パルミトレイン酸CPA、およびトランス-パルミトレイン酸TPA)が、高グルコース曝露によるラットへの有害な影響を改善するかどうかを検討した。 GDMラットの新生児大脳では、最終糖化産物(AGEs)レベルが増加することでAktリン酸化を阻害したが、妊娠中のCPAおよびTPA摂取によりれらの異常を改善した。さらに、高グルコースにさらされたPC12細胞は、コントロールグルコースで培養した細胞に比べてアポトーシスを誘導した。脂肪酸を添加した高グルコースに暴露したPC12細胞は、脂肪酸未添加の高グルコース群の細胞と比較してAGE産生とアポトーシス誘導が減少した。妊娠中の高血糖環境が脳神経細胞タンパク質のAGE形成を促進することで、アポトーシスを誘導され、脂肪酸の摂取によりこれらの異常を改善する可能性が示唆された。 今後は、生まれた仔の行動解析や脳の遺伝子解析を行う。行動解析として、短期記憶、長期記憶を評価するために、Y字迷路、高架式十字迷路を用いて8週令および48週令に評価を行う。さらに、摘出した脳より抽出したRNAやタンパク質を用いて遺伝子解析、シグナル解析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
動物実験は順調に進んでおり、今年度は仔ラットの行動解析や脳の遺伝子解析を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
機能性脂質であるパルミトレイン酸(CPA、TPA)を妊娠中の糖尿病母ラットに投与し、生まれた仔の行動解析や脳の遺伝子解析を行う。行動解析として、短期記憶、長期記憶を評価するために、Y字迷路、高架式十字迷路を用いて8週令および48週令に評価を行う。さらに、摘出した脳より抽出したRNAやタンパク質を用いて遺伝子解析、シグナル解析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度の研究計画の中で使用する予定であった解析を2024年度に移行したため、試薬や解析に伴う費用として使用する予定である。
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