研究実績の概要 |
今年度は,共有基底条件付き平均回帰(SCMR; Shared basis conditional mean regression, Powers et al., 2018)の概念のもと,主効果を伴う治療効果モデルを開発するとともに,生存時間解析への拡張を行った.それらの手法では,昨年度までと同様に,ルール・アンサンブル法(Friedman & Popescu, 2008)あるいは生存時間ルール・アンサンブル法(下川他, 2013, Fokkema et al., 2017)を回帰モデルとして採用するとともに,回帰パラメータの推定において,Group lasso法(Bakin, 1999)を用いた. 連続応答に対する主効果を伴う因果ルール・アンサンブル法は,2023年度 日本計量生物学会年会,64th ISI World Congress (Ottawa, Canada)で発表するとともに,国際論文誌「Statistical Methods in Medical Research」に採択された.また,生存時間データに対する主効果を伴う因果ルール・アンサンブル法は,2023年度 日本計量生物学会年会,64th ISI World Congress (Ottawa, Canada)で発表しており,現在,論文投稿中である. また,生存時間データに対するmeta-learnerに関する検討を開始した.生存時間データでは,HTEの定義について,(1) 生存時間の差,(2) 生存率の差,(3)対数ハザードの差など,論文によって様々である.そのため,当該研究では,HTEの定義を整理するとともに,それぞれに対するmeta-learnerの枠組みのもと,シミュレーションに基づいて適切な方法を検討した.その中間成果については,2023年度 日本計量生物学会年会のなかで公表した.
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