研究課題/領域番号 |
22K11967
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
森口 草介 東京工業大学, 情報理工学院, 助教 (60733409)
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研究分担者 |
渡部 卓雄 東京工業大学, 情報理工学院, 教授 (20222408)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 関数リアクティブプログラミング / 消費電力 |
研究実績の概要 |
本年は機能的・時間的な側面から消費電力が大きく変化する機能について関数リアクティブプログラミング言語に組み込む研究を行った。特に、外部からの入力に対する応答性を十分に担保しながら、その範囲で処理の頻度を落とす方向での解決を試みた。 組込みシステムにおける消費電力は、CPUのみで動くソフトウェアよりもセンサやモータといった外部デバイスを駆動する方が影響が大きい。外部デバイスを使用しない場合にこれらの電源を落とす(スリープさせる)ことで消費電力を削減できる。しかし外部デバイスを用いないようにする際に、誤って古いデータやダミーデータを使用するなどのバグが発生しないことを保証することが重要である。本年はこのような仕組みを静的に保証する関数リアクティブプログラミング言語を提案した。 また、組込みシステムの応答性を維持しながら外部デバイスの駆動回数を減らす方法として、必要リソースを抑制した非同期計算の機構を関数リアクティブプログラミング言語に導入した。これは非同期計算のみを時分割計算の対象とすることで、組込みシステムにも容易に導入可能であり、常時応答する処理と、低頻度に発生する高負荷な計算や外部との通信のような不定期な処理を両立するのに十分である。 これらに加えて、プログラム中のデータフローに注目して同期的・非同期的に処理する部分を混在して記述可能なプログラミング言語や、実行時に処理の頻度を変更する機構を備えたプログラミング言語を提案した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
消費電力をパラメータとする機構そのものについては構築できていないものの、大きく消費電力を変動させる機構が提案されている。 申請時には並列処理または実行する機器の並列管理を行う機構を主な対象としていたが、結果として消費電力のパラメータ化および利用方法についての指針がより広範囲になったといえる。
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今後の研究の推進方策 |
主に研究課題としている消費電力の陽なパラメータ化を施したプログラミング言語の設計だが、本年度は並行して、前年度に行った消費電力の変動の結果をより詳細に分析する。 これは、パラメータ化したプログラミング言語に対して実際に消費される電力との対比をより正確に表現できるようにするためである。
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次年度使用額が生じた理由 |
オンライン発表等により旅費の執行額が少なかったこと、および半導体部品の供給が安定しないため器具の購入があまり行われなかったことによる。 本年度はこれらの器具の購入を進める他、発表および情報収集のための学会参加を増やすことを考えている。ただし、申請時と比べて全体的に物価が上昇しているため、申請時における二年分よりは器具の総量や学会参加等の回数が減ることも考えられる。
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