研究課題/領域番号 |
22K12001
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研究機関 | 明星大学 |
研究代表者 |
末田 欣子 明星大学, 情報学部, 教授 (70530806)
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研究分担者 |
小池 新 東京家政大学, 人文学部, 教授 (40650445)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ハンドオーバ / 5G / アプリケーション / モバイル / Quality of Experience |
研究実績の概要 |
本研究では,特に他種のセルを複合して構築するモバイルネットワークを利用する際に発生するハンドオーバなどに起因する遅延や品質劣化を最小化する手法を,アプリケーション主導のハンドオーバを導入し解決することを目的としている. 2023年度の研究では,ネットワーク内での遅延と遅延変動が特に移動を伴う場合は,ハンドオーバが発生すると,大きく遅延が変動してしまい,サービス品質に影響を及ぼすと考えられ,ネットワーク上のエッジサーバに機能を分散させたロボット装置に対して,画像などの情報量の多いメッセージを送信する際の課題について検討した.ロボティクスデバイスの移動経路がゴールから逆算して予測可能であるとの知見に基づいた方式を提案した。本提案方式では,エッジサーバでの処理結果を,ロボティクスデバイスが次に到達すると予想される通信エリアの近傍のエッジサーバに配信することで,ロボティクスデバイスがオフロード処理を利用できるようにし,安定したスループットとフェッチ時間の削減を確認した.本提案方式のシミュレーションを実施し,結果を国際会議GCCE2023にて報告した. 最終的なゴールは,DXの結果到来する将来のモバイルネットワークが実現する社会において,従来のICTが頼っていたブラックボックスとしてのネットワークとは異なる,アプリケーション主導の制御が可能なネットワークを構築することでユーザやロボットに対するQoEを向上することである.ハンドオーバの新たな方式の検討に加えて,移動時に利用するネットワークとして,ロボティクスデバイスなどのIoT機器がターゲットとなるWiFiの新規格である802.11ahも対象とできるのではないかと考え,基本性能の調査を進め,結果を電子情報通信学会のIN研究会にて報告した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定の3年間での研究計画では,まず将来のモバイルネットワークを対象に,カーナビゲーションサービスやデリバリロボットの運行情報から行先と移動経路やスケジュール情報を得て,その情報を利用し,その先の移動を踏まえたハンドオーバ技術実現を検討することとしていた. 現時点では,ユーザの利用する上位のアプリケーションサービスから取得できる情報としてARなどの画像の取得をもとに,位置情報やエッジサーバとの連携を行う新たなハンドオーバの方式を提案し,ネットワークシミュレータで動作を検証した実験までが2023年度の到達できた部分である. 具体的には,ネットワークで得られる電波強度等の情報のみでなく,ユーザの利用する上位のアプリケーションサービスから取得できる情報を抽出し,新たなハンドオーバの方式を検討し,今年度は現状提供されている4Gのモデルに基づき,モデルを構築しシミュレーションを行い,IEEEの国際学会(GCCE2023)にて発表を行った. また,ユーザやロボティクスデバイスなどの移動時に利用するネットワークとして,移動網だけでなくロボティクスデバイスなどのIoT機器がターゲットとなるWiFiの新規格である802.11ahも対象とできるのではないかと考え,基本性能の調査を進め,結果を電子情報通信学会のIN研究会にて報告した.
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,将来のモバイルネットワークを対象にするため,ネットワークシミュレーションへの5Gモデルの実装や新たなWiFi規格である802.11ahを用いた実験を行い,より現実的な提案方式の優位性の確認を行う.例えば,カーナビゲーションサービスやデリバリロボットの運行情報から行先と移動経路やスケジュール情報を得て,その情報を利用して,その先の移動を踏まえたハンドオーバ技術実現を検討する. 次に端末間の協調送受信方式やスモールセル間連携をしたCell-free構成をモデルに追加する.その最適なハンドオーバの実現性への効果をシミュレーションで確認する.
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度においては外部委託用の実施費用は、委託先が決まるまでリサーチアシスタントにて実施することとした。 2024年度も引き続き委託先を探すとともに、できるところからリサーチアシスタントにてシミュレーションを進め、国内外の成果発表を実施できるよう検討を推進する。
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