研究課題/領域番号 |
22K12014
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
水野 修 工学院大学, 情報学部(情報工学部), 教授 (80508846)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | センサーネットワーク / 情報指向ネットワーク / 減災 / IoT |
研究実績の概要 |
・本課題を進めるにあたり,これまでの検討内容や実験データを再整理し,論文化を行った.本方式のベースとなるID管理関係については,テーブルベース管理方式とチケットベース方式についてまとめた.またデータの重要度に着目した耐遅延ネットワークでのデータ流通方式について特性を明らかにした. ・テストベッドを用いてクラウドベースのアーキテクチャでは,センサノード動作時における負荷分散効果を測定し,シンクノードでのデータ管理に関わるボトルネックが解消できることを確認した.ノードの認証認可方式をテストベッドに実装し,新たなノードを追加するケースでの動作を確認した.セキュリティの課題としては,不正なノードによるDDos攻撃が考えられるため,その対処方式を考案し実装した.さらに,これまでは新規にネットワークを構築する場合に,ノードのID等を予め設定する必要があったが,自動化手順を考案し,実験により正常にネットワークが構築できることを確認した. ・データ流通開示方式については,これまでのテーブルベース方式,チケットベース方式で問題となる単一障害点の排除に向けて,ブロックチェーン技術を活用したプロトコルを設計し,計算機上に仮想環境を構築した状況で,実験によりフィージビリティを確認した.データの可視化方式として,マーカレス型ARの実現要件を整理し,実装により動作を確認した. ・これらの成果をまとめ,査読論文3報,国内外の学会発表8報発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ICNプラットフォームを用いた負荷測定や認証手順などの確認は予定どおり実行できた. 世界的な半導体不足の影響で,センサノード用小型コンピュータの調達が困難となったため確認できたセンサが4台程度であったことや,表示機能の実装はやや遅れているが,ブロックチェーン技術を活用したデータ流通開示方式の設計は前倒しで実行できており,全体としてはおおむね順調に進捗しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
・基本的には当初計画に従い推進する.ノード認証方式については,当初計画どおり,鍵の管理方式の拡張とデータの真正性担保にための方式の拡張を行う.データ流通開示方式については,2022年度設計したブロックチェーン技術を活用したプロトコルをもとに,開示するデータの選定方法などを拡張し,実験により動作を確認する.データ可視化方式については,各センサノードとの通信方式を整理し,設計と実装を行う. ・小型コンピュータの流通状況を注視し,調達可能なときに必要台数を購入して実験環境の拡大を図る. ・各検討で得られた成果については,適宜国内外の学会,ならびに査読論文として発表する.
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額(B-A)については1,277円であり,2022年度交付額の0.1%程度のごく僅かな額である.これは2023年度の予算に繰り越して,執行するものとしたい.
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