研究課題/領域番号 |
22K12021
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研究機関 | 神奈川工科大学 |
研究代表者 |
丸山 充 神奈川工科大学, 情報学部, 教授 (60636489)
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研究分担者 |
瀬林 克啓 神奈川工科大学, 情報学部, 特任教授 (90762394)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | DPDK / 高精細リアルタイム映像処理 |
研究実績の概要 |
DPDKフレームワークで実装したアプリケーションは,高速度領域のパイプライン処理となるためデバッグが難しい上に,安定動作のためのハードウェア性能の必要条件が明確でないという課題がある.本研究では,(1)DPDKパイプライン一括モニタによる観測機構,(2)高精度ネットワークモニタとの連携による映像処理機能のトータルな処理速度の観測機構を開発し,アプリケーション開発を容易化する. 今期は,研究の基本方針の評価として,我々がDPDKで作成した映像スイッチング処理におけるSRv6のオーバヘッドを題材に簡単な性能測定ツールを作成した.それぞれのデータ量は,24Gbpsである.まず,映像処理機能の各パイプラインステージにCPUのTSCレジスタを活用したクロック数のカウント機能を付加し,外部から簡単に読み出しする機能を作成することで,フレームレベルでの正常処理動作を定期的に監視するシステムを作成した.それと共に,入力された映像パケットが加工されて出力されるまでの遅延を正確に求めるために,10GbEの入力インタフェースおよび出力インタフェースのそれぞれのデータラインを光タップにより分岐し,ARISTA Networks社の汎用L2スイッチに付与されているTapアグリゲーションのタイムスタンプ付与機能を使う事で,該当の入力パケットが映像処理を経て,出力パケットとして出力される処理遅延をnsレベルの粒度で監視可能なシステムを作った.CPUの内部および入出力のパケットが観測対象である事の同定には,映像ストリームデータのフレーム番号およびパケット毎に付与されたシーケンス番号が付与されている特性を活用した.これにより,DPDKにより実装された映像処理機能のパイプライン正常動作の確認と共に,SRv6化によるプロトコル処理オーバヘッドが観測でき,これにより得られた観測結果をNS研究会で公表する事ができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究で開発された基本ツールを用いて,映像処理機能の簡単な性能測定に実際に活用できた事.
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今後の研究の推進方策 |
[1]高精細リアルタイム映像処理を対象としたDPDKパイプラインステージ性能解析 他の様々な市中ツールも併用した評価を行い,我々が作成したリアルタイム映像処理機能を題材にパイプライン動作を解析する事で,実際に必要なCPUコア数,周波数,キャッシュ量,メモリ量,ネットワークインタフェースカード(NIC)の性能条件や搭載スロット位置などのリソース条件を提示できるシステムを目指す. [2]高精度ネットワークモニタとの連携によるDPDKフレームワーク上のリアルタイム映像処理の性能解析 トラヒックジェネレータと連携する高精度ネットワークモニタの検討を進め,映像ストリーム用に,精細度,毎秒の映像フレーム数やライン数,パケット間ギャップのパラメータを変更可能なトラヒックジェネレータを作成する事で,様々な映像伝送品質における性能評価を可能とするシステムとする. さらに,仮想環境におけるリアルタイム映像処理の評価が可能なツールとしての拡張を目指し,仮想マシン上のDPDKフレームワークにおける性能解析への適用性に関して様々な仮想環境で評価を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
近年の半導体不足により,当初入手を検討していたサーバ機器の納期が遅延してしまい,年度内納入が難しくなったため,次年度に改めて手配する事とした.
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