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2022 年度 実施状況報告書

ブロックチェーンにおけるプライバシーを保護した認証の提案とその実装

研究課題

研究課題/領域番号 22K12027
研究機関広島大学

研究代表者

中西 透  広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (50304332)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードプライバシー保護 / 認証 / ブロックチェーン
研究実績の概要

ブロックチェーンでは,オープンに情報にアクセスできるため,ユーザのプライバシー保護が問題となる.そこで,IDを秘匿しながら正規ユーザかを確認できる匿名認証技術が近年盛んに研究されている.ブロックチェーンは,パーミッションレス型とパーミッションド型に分かれる.パーミッションレス型では,参加ノードがオープンであり誰でもが参加できる.一方,パーミッションド型では,参加者が許可された者のみに限定される.本研究では,パーミッションド型ブロックチェーンに対応した匿名認証方式に対して,その実用化において必要となるユーザ失効法を実現する.また,パーミッションレス型ブロックチェーンに対応した効率的なブラックリスト型失効法,および匿名ユーザの信頼性が計測可能な匿名評価システムに対して効率化した方式を提案する.
本年度は,パーミッションド型に対する匿名認証である階層型匿名属性認証方式に対する効率的なユーザ失効法を提案した.その安全性を定式化するとともに,安全性証明も示している.また,パーミッションレス型に対しては,ユーザ数のlogオーダの署名長をもつリング署名方式DualRingを用いて,ブラックリスト型失効をもつ効率的な匿名認証方式を提案した.また,匿名評価システムに対しては,zk-SNARKと呼ばれる信頼できる事前計算を必要とする従来手法に対して,zk-SNARKを用いず信頼できる事前計算を必要としない手法を提案した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

パーミッションド型匿名認証の失効法については,方式提案,定式化および安全性証明,効率評価まで行っており,その論文が論文誌Journal of Information Processingに採録されている.
パーミッションレス型に対するブラックリスト失効可能な匿名認証については,DualRingを用いた効率的な手法を国内研究会ISECで発表するとともに,安全性検討まで含めた成果が国際会議CANDAR2022で採録されている.
また,匿名評価システムについては,zk-SNARKを用いず信頼できる事前計算を必要としない手法を構築しており,国内会議CSS2022で発表している.
以上のことから,順調に研究は進行しているといえる.

今後の研究の推進方策

パーミッションレス型に対するブラックリスト失効可能な匿名認証については,安全性の定式化および安全性証明までを行ない,論文誌に投稿する予定である.
また,パーミッションレス型に対するzk-SNARKを用いない匿名評価システムについては,さらなる機能拡張の検討や,安全性の定式化および安全性証明を検討するとともに,実装による評価も行いたいと考えている.
さらに,ブロックチェーン環境における匿名認証に関して,その要素技術も含めて,他の最新の研究成果をレビューし,他方式との比較や,可能なものについては提案手法との組合せなども検討する.

次年度使用額が生じた理由

次年度にプロトタイプ実装を進めるために,PC用として繰り越し使用する予定である.また,国際会議発表・雑誌別刷代としても使用する.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] University of Asia Pacific(バングラデシュ)

    • 国名
      バングラデシュ
    • 外国機関名
      University of Asia Pacific
  • [雑誌論文] An Efficient Revocable Delegatable Anonymous Credential System Using an Accumulator2022

    • 著者名/発表者名
      Nasima Begum, Toru Nakanishi
    • 雑誌名

      Journal of Information Processing

      巻: 30 ページ: 706-717

    • DOI

      10.2197/ipsjjip.30.706

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Short DL-based Blacklistable Ring Signatures from DualRing2022

    • 著者名/発表者名
      Toru Nakanishi, Atsuki Iriboshi, Katsunobu Imai
    • 学会等名
      CANDAR 2022
    • 国際学会
  • [学会発表] 非中央集権的ブラックリスト型匿名認証システムにおけるDualRingを用いた認証データサイズの削減2022

    • 著者名/発表者名
      入星敦輝,中西透,今井克暢
    • 学会等名
      電子情報通信学会ISEC研究会
  • [学会発表] 信頼できる鍵生成を必要としない非中央集権型匿名評価システムの提案2022

    • 著者名/発表者名
      吾郷佳昭, 中西透 , 今井勝喜
    • 学会等名
      コンピュータセキュリティシンポジウム2022(CSS2022)

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公開日: 2023-12-25  

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