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2023 年度 実施状況報告書

科学的可視化と情報可視化を融合する可視化フレームワークの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K12054
研究機関国立研究開発法人海洋研究開発機構

研究代表者

川原 慎太郎  国立研究開発法人海洋研究開発機構, 付加価値情報創生部門(地球情報科学技術センター), 副主任研究員 (60415982)

研究分担者 宮地 英生  東京都市大学, メディア情報学部, 教授 (00501727)
伊藤 貴之  お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (80401595)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード可視化フレームワーク / 科学的可視化 / 情報可視化 / XR技術 / ゲームエンジン
研究実績の概要

本研究で目的とする科学的可視化技術と情報可視化技術の融合を実現するにあたり、昨年度に引き続き川原と宮地が開発を進めているゲームエンジンUnity用可視化フレームワーク「VisAssets」に対して情報可視化機能を利用するためのモジュールの実装を行った。具体的な成果としては、昨年度モジュール開発を行った「平安京ビュー」と同じく伊藤がJava言語で開発した情報可視化ツールである「Hidden」の機能をVisAssetsで利用するためのC#言語への移植およびモジュール開発をほぼ完了し、Hidden用データのUnityへの読み込みと、それに基づく描画結果をUnity上で表示、操作できるようにした。これまでに開発した科学的可視化用モジュールや、昨年度開発した「平安京ビュー」モジュールと同様、データ読み込みから表示に至るまでの可視化フローをモジュールアイコン化し、それらをツリー接続することでプログラミングレスでの可視化ネットワークの構築を可能とした。本モジュール開発において、オリジナル版のHiddenコード内で多次元尺度構成法の適用に用いられているソースコード非公開のJava用ライブラリMDSJが移植の障害となっていたが、同機能を含むC++用線形代数ライブラリEigenをUnity用にプラグイン化し、その機能を代替することによりUnityでの動作を実現した。科学的可視化モジュールについてもHMD使用時のハンドコントローラでのインタラクティブな操作による流線描画やパススルー表示への対応など機能強化を行った。VisAssetsの開発状況については学会発表等で適宜報告するとともに、科学的可視化部のみではあるがGitHubにて公開中のソースコードを更新した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度未達であったHiddenモジュールの開発において、Java言語からC#言語への移植の障害となっていたJava用ライブラリの機能について、C++言語用ライブラリEigenをUnity用にプラグイン化することでその代替とすることができた。Hiddenの描画ルーチンについてもUnityで動作するよう再実装を進め、Java版Hiddenの機能をVisAssetsで利用可能とした。構造格子データから情報可視化データを抽出するためのモジュール開発については未着手であるが、これまでの開発でモジュール間のデータフローを十分考慮した実装を行っており、総合的にはおおむね順調に進展しているものと考える。

今後の研究の推進方策

構造格子データから情報可視化データに変換するためのモジュール開発を引き続き進める。Yano et al. 2020では海洋シミュレーション結果の構造格子データからHidden用データを作成しており、これを参考に変換モジュールを開発する。これまでに開発した平安京ビュー、Hiddenモジュールでは、VisAssetsのデータクラス内に格納した文字列データを参照して図化するような設計となっており、これと同様に構造格子データの情報を元に生成した情報可視化データをデータクラス内の文字列データとして保持するようにすることで、既開発のモジュールによる科学的可視化に加え、今年度開発したHiddenモジュールによる情報可視化を、同一データに対して同時に利用することが可能となる。

次年度使用額が生じた理由

(理由)MDSJと同等の機能をUnityで利用可能とすることを含めたモジュール開発について外部委託する予定であったが、自力にて実装を完了したため当初予定していたプログラム開発費自体を使用しなかった。また、参加予定であった米国開催の学会への参加を取りやめたため、当初予定していた旅費および参加費の支出が大幅に減少した。
(使用計画)令和4年度に購入した開発用ノートPCをより高性能なものに更新予定である。また、開発したプログラムの公開に向けたソースコードの高速化およびブラッシュアップのための外部委託を検討している。

備考

※開発中のため、公開版VisAssetsには情報可視化機能は含まれていない

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2023 その他

すべて 学会発表 (9件) (うち国際学会 2件) 備考 (2件)

  • [学会発表] ゲームエンジン用可視化フレームワークVisAssetsの開発2023

    • 著者名/発表者名
      川原慎太郎、宮地英生、伊藤貴之、田中覚、樫山和男
    • 学会等名
      第28回計算工学講演会
  • [学会発表] 主成分分析に基づく渦度を利用した大規模海洋シミュレーションの3次元可視化2023

    • 著者名/発表者名
      有田さとる、中田聡史、川原慎太郎、宮地英生、長谷川恭子、李亮、田中覚
    • 学会等名
      第55回可視化情報シンポジウム
  • [学会発表] 核融合プラズマデータ解析の高度化のためのVR可視化表現法の探求2023

    • 著者名/発表者名
      大谷寛明、川原慎太郎
    • 学会等名
      第55回可視化情報シンポジウム
  • [学会発表] Benchmark results for point cloud isosurfaces implemented on VisAssets2023

    • 著者名/発表者名
      Hideo Miyachi, Shintaro Kawahara, Kazuo Kashiyama
    • 学会等名
      The 42nd JSST Annual International Conference on Simulation Technology (JSST2023)
    • 国際学会
  • [学会発表] Advanced virtual-reality visualization for analysis of fusion plasma simulation data2023

    • 著者名/発表者名
      Hiroaki Ohtani, Shintaro Kawahara
    • 学会等名
      The 42nd JSST Annual International Conference on Simulation Technology (JSST2023)
    • 国際学会
  • [学会発表] 大阪湾の大規模海洋シミュレーションに基づく3次元的渦度分布の可視化 ~VR機器を用いた可視化編~2023

    • 著者名/発表者名
      川原慎太郎
    • 学会等名
      「新生」第17回金沢コンピュータグラフィックス談話会
  • [学会発表] 大規模シミュレーションに基づく大阪湾渦分布の3次元可視化2023

    • 著者名/発表者名
      有田さとる、宮地英生、河原隼斗、川原慎太郎、中田聡史、長谷川恭子、李亮、鷹取慧、田中覚
    • 学会等名
      先進的可視化技術とデータ科学の融合による可視化解析の研究会 (VR2023)
  • [学会発表] Unityを用いた大阪湾渦分布のVR可視化2023

    • 著者名/発表者名
      河原隼斗、宮地英生、川原慎太郎、有田さとる、中田聡史、長谷川恭子、李亮、田中覚
    • 学会等名
      先進的可視化技術とデータ科学の融合による可視化解析の研究会 (VR2023)
  • [学会発表] CAVE用VR可視化ソフトウェアVFIVEの機能拡張とLHD周辺プラズマ解析への応用2023

    • 著者名/発表者名
      大谷寛明、川原慎太郎、杉山吏作、増崎貴、庄司主、河村学思、林祐貴
    • 学会等名
      先進的可視化技術とデータ科学の融合による可視化解析の研究会 (VR2023)
  • [備考] GitHubでのVisAssets(可視化フレームワーク)の公開ページ

    • URL

      https://github.com/kawaharas/VisAssets

  • [備考] VisAssetsの共同開発者(東京都市大学 宮地英生教授)によるプロジェクトページ

    • URL

      http://www.comm.tcu.ac.jp/miyachilab/visassets/index.html

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公開日: 2024-12-25  

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