研究課題/領域番号 |
22K12057
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤田 航平 東京大学, 地震研究所, 准教授 (00744856)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ランダムアクセス / データレカレンス / 高性能計算 / 有限要素法 |
研究実績の概要 |
計算科学アプリケーションにおいて頻繁に現れるランダムアクセス・データレカレンスを含む計算は近年の計算機アーキテクチャとの親和性が低く、多くのアプリケーションの性能ボトルネックとなっている。本研究ではこのようなランダムアクセス・データレカレンスを含むカーネルを対象に、実行パターンに含まれる先見情報を活用し対象とする計算機アーキテクチャの特性を踏まえた計算手法を開発することでCPU/GPUを含む多種の計算機アーキテクチャにおいて高速化を目指している。 本年度においては、ランダムアクセス・データレカレンスを多く含むカーネルの一例として、地震シミュレーションに用いられる非構造格子有限要素法におけるマトリクスフリーの行列ベクトル積カーネル(Element-by-Elementカーネル)に注目し、各社で開発が進むCPU・GPUにおけるアルゴリズム開発・性能分析を実施した。CPU/GPU間では計算機アーキテクチャが大きく異なるため最適な計算方法が変わるが、同じCPUやGPUでも種類によってその特性は大きく変わることとなる。そこで、これらの特性をベンチマークで調査しそれぞれのアーキテクチャに適したアルゴリズムを開発した。この研究結果はSCにて併設されるワークショップの一つである2022 Workshop on Accelerator Programming Using Directives (WACCPD)において論文発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画通り、ランダムアクセス・データレカレンスを多く含むカーネルの一例として、地震シミュレーションに用いられる非構造格子有限要素法におけるマトリクスフリーの行列ベクトル積カーネル(Element-by-Elementカーネル)に対し、各種CPU・GPUにおけるアルゴリズム開発・性能分析を実施し、それぞれのアーキテクチャに適したアルゴリズムを開発し、WACCPDにて論文発表したため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度においては富岳のA64FX CPU, Intel Xeon CPU, NVIDIA A100, H100 GPUにおいて性能調査・アルゴリズム開発を実施したが、今後はより広い計算機アーキテクチャにおける本手法の適用性、また、必要に応じてアルゴリズム開発を実施していく計画である。また、アルゴリズム拡張によりさらなる性能向上が可能か検討する計画である。
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