研究課題/領域番号 |
22K12062
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
安倍 賢一 九州大学, 工学研究院, 教授 (20315104)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 乱流 / ラージ・エディ・シミュレーション / サブグリッドスケールモデル / エネルギースペクトル |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続き,非等方SGSモデルで用いるBardinaモデルや修正レナード応力モデルをはじめとする種々のスケール相似則モデルについて,高精度LESデータにフィルター操作を施した粗視化データを利用したアプリオリテストを中心として,SGSモデルが有する特徴に対する詳細な検討を行った. 今年度は,昨年度まで進めていたトップハットフィルターにより得られた結果の考察を踏まえ,さらに低波数側の影響を低下させてカットオフ周波数周辺の特徴がより明確になると期待されるシャープカットオフフィルターを適用した評価の取り組みを開始した.具体的には,高精度LESにより得られた瞬時の速度データにFFTを適用して周波数分離を行い,フィルター幅より大きなスケールの成分を完全に除去したSGS応力を生成する.なお,FFTの特徴を考慮して,シャープカットオフフィルターは壁面に平行な断面内に2次元的に適用し,壁垂直方向には適用しない. 当初の期待通り,シャープカットオフフィルターによる結果には,トップハットフィルターのものとは異なる特徴が幾つか見られた.しかしその一方で,結果を詳細に調べると実はシャープカットオフフィルターを適用した場合にSGS応力の垂直成分に負値が算出される格子点が多数あることが判明し,当初予想していなかった問題点が現れた. 従って,今後の研究を進めるにあたり,まずはこのSGS応力の垂直成分に負値が現れる原因の究明が急務であると考えられる.また,現在適用している解析手法自体に問題がないかについても,来年度に向けてより詳細に検討を進める必要があると考えている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
主たる研究施設であるスーパーコンピュータが大変混雑しており,ジョブ待ちが予想以上に長くなった.また,今年度はスーパーコンピュータのリプレイスのために通常ジョブ待ちが少なく空いているはずの年度末の3月にスーパーコンピュータを全く利用できなかったことから,予定の遅れを取り戻す機会を失い,当初予定していた追加の大規模計算を年度内に予定通りに実施できなかった
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今後の研究の推進方策 |
現在の計算機事情(ジョブの混雑状況及び特に次年度前半はリプレイス作業による利用不可)に起因する問題を踏まえ,昨年度同様大規模計算の準備で可能なものを手元の小規模計算機でできるだけ済ませるような方策を立てて,研究の効率化を図る. 昨年度から学内でのMatlabの契約体制が変わりすべてのアプリが自由に使えるようになっていることから,種々のアプリの組み合わせによりSGSモデルの評価をこれまで以上に効率的に処理する方策を引き続き検討する.
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)当該年度においては,本研究を進めるために最も重要な大規模計算を行うためのスーパーコンピュータの使用料に関して,混雑等の理由もあり大規模計算の実施計画が当初の予定通り進まなかったことから予定より経費が少なくなり,結果的に繰越金が生じた. (使用計画)今回生じた繰越金については,次年度予算とあわせて今後予定しているより大規模な計算を実施するために必要となるスーパーコンピュータの使用料に充てる予定である.
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