研究課題/領域番号 |
22K12073
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
近藤 一晃 京都大学, 学術情報メディアセンター, 准教授 (30467609)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ヒューマンセンシング / 体験活動 / グループワーク / 振り返り / 数理的アプローチ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,(1)映像として記録された体験活動・(2)それを視聴したときの視聴者心理・(3)視聴者の属性,の関係を数理的な観点から明らかにすることである.そのためには(1)-(3)に関する適切な数理表現を得ることがまず必要である.研究計画の一年目にあたるR4年度では,(1)および(2)の数理表現を対象に研究を進めた. (1)に関しては2通りのアプローチを検討した.1つ目のアプローチでは,体験活動の各時刻における「場面」を様々な要素的なインタラクションの集まりとして捉え,それが時間方向に累積したデータを体験活動の記録とみなす.ただしそのままでは各場面を有効に特徴づけてはいないため,インタラクションの共起に基づいて体験活動を低次元表現する方法を開発した.これにより体験活動の時間変化や複数の体験活動間の比較などを容易に捉えられる数理表現を得た.2つ目のアプローチでは,インタラクションを行う人物間のやり取りを時間方向の連結の観点からモデル化した.お互いが相手の行動に応じた反応を連鎖させている度合いを,互いの意図を汲みとりを隠れ状態としたモデルで表現した. (2)に関しては,視聴者心理を表現する方法として,表情と心拍特徴を組み合わせるアプローチを検討した.ターン制の対戦型ゲーム(ジェンガ)を題材に,体験活動時および視聴時における表情変化・心拍特徴を計測するとともに,ゲームシーンやアンケート回答との相関や同期について分析を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実績概要で述べたように,分析対象としたい現象の数理表現について一定の成果が得られた.また体験活動の実施・記録・初期データ処理などの経験値も得ることができた.1年目の進捗としては十分と考える.
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今後の研究の推進方策 |
まず1年目に開発した数理表現方法についてその特性の分析や拡張を行うことを予定している.パラメータの設定やインタラクションの選択などに応じて様々な表現が得られるため,解釈可能性や安定性などについて踏み込んだ調査が必要と分かったからである. それと並行して視聴時の心理状態表現も拡充を試みる.体験者と非体験者が対話しながら同時に視聴する形態や,体験時・視聴時の注視状態を追加するなどを検討している. これらの充実を踏まえて,最終年度にて映像記録と視聴者心理との関係性分析に進む計画である.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初では現地開催されるはずであった国際会議がオンライン開催となったため,旅費の支出が計画よりも少なくなった.繰り越しが発生した分,R5年度における国際会議渡航費等に充当する計画である.
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