研究課題/領域番号 |
22K12112
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
鈴木 優 宮城大学, 事業構想学群, 准教授 (70612779)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | アニマルコンピュータインタラクション / 個体識別 / AI |
研究実績の概要 |
飼養されている全ての動物の生活の質を向上させるために,動物の立場に立ち,動物に対して与える痛みや苦痛,制限を最小限に抑えるという考え方はアニマルウェルフェアと呼ばれ,国際的に認知されている.牧場や動物園等の複数個体が飼養される環境では,アニマルウェルフェアの観点から,動物を適切に飼養するために個体毎の管理が重要であり,動物の個体識別が必要である.よって,本研究では行動的特徴を用いた動物の個体識別手法の開発を目的とし,動物の自然な動きを用いることや非侵襲的な手段を用いること等を技術的な達成目標とする. 令和5年度は,研究代表者が当時所属していた機関の近隣にある動物園の協力を得て,個体識別の対象として選定したフラミンゴとロバの2種類の動物の行動を約6ヶ月にわたって記録した.それぞれが飼養されているエリアを囲むように複数台のスマートフォンを設置し,カメラ機能を用いて動物の行動を立体的に撮影した.動物園の飼育員からの助言を基に動物を撮影するタイミングを決定し,スマートフォンのタイマー機能や遠隔操作機能等を用いて適切なタイミングでの撮影を実現した. また,記録した映像を用いてフラミンゴの個体識別のための行動データセットを作成した.行動データセット作成のための個体の判定にはフラミンゴに装着されている脚環を用いた.脚環の識別にはAIによる画像処理と手作業による修正を併用することで誤りの削減を試みた.開発した個体識別システムとフラミンゴの行動データセットを用いて個体識別を試行した結果,適合率に課題があるものの,技術的な実現可能性を示唆する結果を得ることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度の当初計画であった,動物の行動記録の実施と,データセットの作成,個体識別システムのプロトタイプ開発は実施できた一方で,個体識別の適合率に課題が残っていることから,研究全体の進捗としては僅かな遅れが生じていると認識している.また,この遅れにより研究成果の外部発表にも遅れが生じている(ソフトウェア系の国際会議に論文を投稿済みで現在は査読中).
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今後の研究の推進方策 |
個体識別の適合率に関する課題は,令和5年度に作成したフラミンゴの個体識別のためのデータセットと個体識別システムを改良することで改善できる見込みである.また,今後はそれらの知見を活用してロバの個体識別システムを開発すると共に,それらの研究成果を速やかに学術会議等にて発表する.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の遅れにより,予定していた国際会議での発表とそれに必要な旅費等の執行が進まなかったことが主な要因で次年度使用額が生じた.次年度使用額は,査読中の国際会議論文の発表に係る経費やその他国内外での研究発表経費,研究の遂行に必要な機材の調達等に使用する予定である.
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