研究課題/領域番号 |
22K12114
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研究機関 | 会津大学 |
研究代表者 |
荊 雷 会津大学, コンピュータ理工学部, 上級准教授 (30595509)
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研究分担者 |
齋藤 寛 会津大学, コンピュータ理工学部, 教授 (50361671)
高田 大輔 福島大学, 食農学類, 准教授 (80456178)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | データグローブ / 動作分析 / 触覚可視化 / 果物収穫 / 桃収穫 / 電子織物 / 機械学習 / 圧力センサ |
研究実績の概要 |
今迄に、データグローブにおいて、圧力検知と動作検知が異なる種類のセンサを利用している為、グローブの構造が複雑になるという要因が生じた。それに対して、申請者は圧力センサだけで、掌の圧力分布と動作を両方とも検知できるデータグローブを提案し、Pressure to Posture Glove (P2P-Glove)と名付けた。本研究の目的は、自己完結型P2P-Gloveの試作、および桃の収穫訓練のような仕事現場への応用から、P2P-Gloveの実現可能性を明らかにすることである。22年度の研究成果: A.P2P-Gloveの設計:片手に96個の柔らかい圧力センサを含めた手袋の試作ができた。各センサは導電糸と圧電膜を内蔵し、ミシンによって、普通の布生地に縫い付けて形成する。 B.圧力から関節角度を推定する手法:ニューラルネットワークで、非線形回帰モデルを訓練して、性能評価を行なった。モデルの入力が圧力分布、出力が手の各関節の角度になる。手袋の関節角度を推定の平均誤差が3.5度まで達せした。 C:自己完結型Gloveの作成: 持ち歩きやすいコントローラを試作した。コントローラには、マイコン、AD、センサアダプタ、通信モジュール、電源など、含めて、果樹園のような屋外環境にもデータ収集可能にした。 D:桃の収穫訓練より、Gloveの性能評価:22年の8月に、福島市の桑折町の桃果樹園で、フィールドテストを行なった。テスト内容はプロ(農家)と初心者(学生)が桃を掴むとき、掌の圧力分布を数値化と可視化することになる。今回の実験に、農家3人、学生5人が参加し、桃収穫データを収集して、オフラインの処理により、ももつかむときの掌の圧力分布曲線を可視化表示できるようになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画書より、予定した開発が全部完成して、果樹園でのフィールド実験も行いました。
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今後の研究の推進方策 |
22年度の果樹園でのフィールド実験より、データグローブの設計、軽量化、リアルタイム性、桃収穫実験設計などの面の課題を意識し始め、圧力センサの設計、データグローブの設計、実験方法の調整において、改善していく予定になる: A.圧力センサ構成の改善:今のセンサは導電糸と導電性膜で形成し、構成できには、ちょっと複雑して、ミシンでの自動加工が難しい。今年度から、導電糸コーティングの手法を利用し、導電性膜の機能を直接導電糸にも備えるようにする。従って、圧力センサを糸だけで、形成できるようになる。 B.コントローラの軽量化:今のコントローラの機能を分散して、データグローブのコントローラを軽量化にする。具体的には、両手のグローブにそれぞれのコントローラをデータ収集だけの機能を残して、データ処理や機械学習の機能をデータ処理単元(Data Processing Unit: DPU)に移す。 C:桃収穫実験の再挑戦: 去年の経験を活かして、今年度の6月中旬と8月末に2回で、福島県農業総合センター果樹研究所で、研修の農家さんと職員をおよそ10名に協力してもらって、桃収穫の動作記録実験を行う予定になる。
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次年度使用額が生じた理由 |
機械学習訓練のため、割に高額なPCを注文することを予定する。
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