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2023 年度 実施状況報告書

認知症に伴う行動・心理症状の環境依存性の解明と症状軽減ICTシステムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K12121
研究機関滋慶医療科学大学

研究代表者

岡 耕平  滋慶医療科学大学, 医療管理学研究科, 教授 (90466863)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード認知症 / 加齢 / BPSD / 支援技術 / 記憶
研究実績の概要

申請時は高齢者の入居施設に協力を得て施設に居住する高齢者と在宅高齢者の記憶機能の比較をする予定であったが、新型コロナウィルスの流行によって、内諾を得られていた調査が実施できなくなった。そこで、昨年度に計画を変更し、在宅で生活する高齢者及びその支援者(家族)に対して、日常生活における記憶の困難の特徴と記憶を補助するための環境利用の状況を調査することとした。本年度はその計画に従って調査を実施した。13組の後期高齢者の自宅を訪問し、高齢者本人とその支援者(家族)に対してインタビュー調査を実施した。その結果、(1)加齢によって記憶機能に低下があるものの、日常生活の工夫と家族からの支援で、不自由を感じていない高齢者がほとんどであったこと、(2)他方、家族からは当事者が日常生活に不自由が生じているという認識のズレが見られたこと、(3)本人は不自由がないといいつつも、実際には手続き記憶の新規獲得が生活の支障につながっていること、(4)手続き記憶の獲得にテクノロジーの利用が貢献しておらず、かえって新規のテクノロジーによって様々なツールの利用が困難になっていること(5)手続き記憶の新規獲得が困難であるものの、相当な回数の練習によって獲得が可能であること、(6)その「相当回数の練習」に家族及び支援者の支援が必要なこと、(7)当該の支援の有無が手続き記憶の新規獲得の可否に直接的に影響すること、(8)記憶機能の困難はアナログなツール及び周囲の人間などの環境利用によって支えられていること、などが明らかになった。これら成果の一部を国際学会SARMAC2023(Oka &Tsuri, 2023)や国内学会ヒューマンインタフェース学会第211回研究会(釣・岡, 2024)で報告した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新型コロナウィルスの流行により申請時の計画を変更したが、昨年度に研究計画を変更してからの研究は予定通り進められているため。

今後の研究の推進方策

現時点までに得られたデータをまとめ、論文を作成し、投稿する予定。投稿先としてヒューマンインタフェース学会論文誌を予定している。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルスの流行の影響ににより約1年研究計画が後ろ倒しになったこと、および研究計画を変更したことにより次年度使用額が生じた。翌年は研究の遂行及び成果の発表のため、旅費を中心に使用額が増加する予定。概ね1年の遅れで研究を遂行している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 高齢者における記憶に関する生活上の困難の背景にある環境要因 についての実態調査2024

    • 著者名/発表者名
      岡耕平・釣由美
    • 雑誌名

      ヒューマンインタフェース学会研究報告集

      巻: 26(4) ページ: 177-182

  • [学会発表] 高齢者における記憶に関する生活上の困難の背景にある環境要因 についての実態調査2024

    • 著者名/発表者名
      岡耕平・釣由美
    • 学会等名
      ヒューマンインタフェース学会第211回研究会
  • [学会発表] A case study of how memory decline in dementia depends on the environment2023

    • 著者名/発表者名
      Kohei OKA & Yumi Tsuri
    • 学会等名
      The Society for Applied Research in Memory and Cognition 2023
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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