• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

ラポール構築による自閉スペクトラム症へのコミュニケーション訓練対話システム

研究課題

研究課題/領域番号 22K12151
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

田中 宏季  奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (10757834)

研究分担者 中村 哲  奈良先端科学技術大学院大学, データ駆動型サイエンス創造センター, 教授 (30263429) [辞退]
松田 康裕  奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (70445063)
岡崎 康輔  奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (70736925)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードエントレインメント / ソーシャルスキルトレーニング
研究実績の概要

今年度は, エントレインメントの詳細な分析を目的とし, 音響的特徴量 (基本周波数とラウドネス) および韻律的特徴量 (発話速度) に焦点を絞り, 高齢者対話における臨床心理士, 介護士, 大学院生の発話におけるエントレインメントについて, 種々の条件(対話行為タグ, 割り込みの有無, 会話中の発話回数)において, 探索的に分析を行った. 結果, 割り込みの有無について, ラウドネスの最大値におけるエントレインメントの違いを統計検定 (p<0.05) により, 臨床心理士, 介護士, 大学院生の全ての場合で確認した. 加えて, その効果量の大きさについて, 介護士が最も大きく, 続いて臨床心理士, 大学院生の順となっていた. 一方, 対話行為タグや会話中の発話回数を用いた分析では, 主に介護士の発話においてのみ, エントレインメントの違いを統計検定 (p<0.05) により確認した. 本研究により, エントレインメントの分析について, 割り込みの有無や発話行為タグといった発話の分類条件は詳細な分析を可能にすることに加え, 臨床心理士や介護士, 大学院生といった違いがエントレインメントの分析の結果に影響することが分かった.エントレインメントを詳細に分析するためには, 従来の言語的及び非言語的特徴量に加え, 発話ごとの分類, 会話相手を含めた会話場面の設定や職業といった話者個人の情報などの利用が有効であると考えられる. また,ソーシャルスキルトレーニングを実施するエージェントを,本研究の知見を土台にアップデートすることを試みた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ラポール構築およびエントレインメントの現象理解についての研究を進めることができた。

今後の研究の推進方策

今後、ソーシャルスキルトレーニングや認知行動療法に対して、ラポール構築およびエントレインメントの展開、組み込みを目指している。

次年度使用額が生じた理由

プロジェクトの最終年度に向けて実験費用および被験者謝金の繰越を行う必要が生じたため.所属研究室の異動のため,実験を次年度に繰り越す必要が生じたため.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件)

  • [雑誌論文] 高齢者対話における音響的および韻律的エントレインメントの分析2023

    • 著者名/発表者名
      杉本浩之 , 田中宏季 , 中村哲
    • 雑誌名

      IEICE

      巻: - ページ: -

  • [雑誌論文] Multimodal Voice Activity Prediction: Turn-taking Events Detection in Expert-Novice Conversation2023

    • 著者名/発表者名
      Onishi Kazuyo、Tanaka Hiroki、Nakamura Satoshi
    • 雑誌名

      ACM Human Agent Interaction

      巻: 23 ページ: 13-21

    • DOI

      10.1145/3623809.3623837

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Social Performance Rating During Social Skills Training in Adults with Autism Spectrum Disorder and Schizophrenia2023

    • 著者名/発表者名
      Miyamoto Kana、Tanaka Hiroki、Bagnou Jennifer Hamet、Prigent Elise、Clavel C?line、Martin Jean-Claude、Nakamura Satoshi
    • 雑誌名

      IEEE ACII

      巻: 23 ページ: 1-8

    • DOI

      10.1109/ACIIW59127.2023.10388083

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] An Adaptive Virtual Agent Platform for Automated Social Skills Training2023

    • 著者名/発表者名
      Saga Takeshi、Woo Jieyeon、Gerard Alexis、Tanaka Hiroki、Achard Catherine、Nakamura Satoshi、Pelachaud Catherine
    • 雑誌名

      ICMI

      巻: 23 ページ: 109-111

    • DOI

      10.1145/3610661.3620662

    • 査読あり / 国際共著

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi